NO.TIE.TLE 番外編 | ナノ


当初の予定では5日程かかると予想していた任務を3日で終わらせ、足早に自室へと向かう。


たかが3日、されど3日・・随分と前から長く感じるようになってしまった其れが己の胸をチリチリと焦がす。


冷たいドアノブに手を掛け戸を引くと鍵がかかっていて、ガツン、と鈍い音を立てた。


舌打ちを漏らしてズボンのポケットに手を突っ込めばひんやりとした感触が指に掠めた。


まだかまだかと自分に急かされながらもしっかりと握り直し、鍵穴に入れる。


今度こそはとドアノブを回して中に入れば、胸の焦げの原因であるニカがあられもない姿で眠っていて、吹き出しそうになるのをぐっと堪えた。


「なんっっっつーカッコ・・・」


ぶかぶかのYシャツがはだけていてインナーを身につけていないのか中が見えてしまいそうな挙句、白く細い太腿が露出されている。


風呂でも入ったのだろうか、髪が濡れていて、石鹸の香りが鼻をかすめる・・・帰還した瞬間発情なんぞ猿でもあるまいし、とこれまた見えそうな際どい所に布団をかけてやる。


此方の気などしったこっちゃない彼女が相も変わらず気持ち良さそうに眠っている事に少々腹を立てながら、寝顔を覗き込んだ。


夢見が悪いようであれば即、叩き起すが、そうでないようならそのままにしておく・・・それが神田の日課であった。


それに、いつも見つめると恥じらう彼女を好きに眺められるなんて事は、眠っている時以外は滅多に無い貴重な時間である。


睫毛が長い、とか、額が狭いとか、眉間あたりの彫りが少し深い、とか。柄にもないが、至福の時とも言えるのだ。


「ん・・・ふ、ふ」


「良い夢でも視てんのか?」


そして時たま。


「ふ、かんだ・・・ふへへ」


イレギュラー。


このような事があると、堪えた理性が簡単に吹き飛んでしまうのだ。


猿で結構。何故なら煽ってきたのはコイツだからだ。俺に非はない。


ギシ、と音を立て、彼女を組み敷く形でベッドに上がる。


まず始めに相変わらずにやにや笑っている彼女の額に唇を落とす。次に、頬、唇、首筋の順で移動して行き、はだけたYシャツを肩まで脱がす。


露になった小振りな胸に顔を埋め、突起をひと舐めした所で。


「ひゃ、んぁ・・・って神田貴様。」


やっと目覚めた彼女は額に手を当て、顔を赤くしながらあぁ、もう、と呟いた。


「こんな時間に風呂入ったのか、珍しいな。」


「あぁ、いや、昨日から急ぎの任務で少し出てさっき帰ってきたから、返り血まみれじゃ流石に寝れないし軽いメンテ後シャワーだけ。」


「怪我は、」


「してない。って、お帰り。早速何してんのほんとに・・・」


うう、と呻き声をあげながらも、体に腕を回してくる彼女は心なしか少し嬉しそうな表情をしていて、満更でもないのだと確信する。


「まぁ・・・夢見も良かったようだしな。」


「夢ぇ?ふ、っぁ、」


言葉を遮り、唇を塞ぐ。角度を変えながら、深く深く交わりながら、未だに引っ込みがちな舌を引っ張り出し、絡めて行く。


顔を真っ赤にして必死に応えるニカから目が離せない。


「ふ、はぁ、ぁっ・・・あっ、!」


胸の突起を指で摘むだけで体をビクビクと反応させる・・・どれだけ敏感なんだよ。とろけそうな表情を見てこれ以上唇を重ねていたら本当に溶けてしまいそうだな、と思い放してやる。


「っはぁ・・・ぁ、んぅ」


「お前ほんと―・・・」


可愛いな。そう言いかけて慌てて口を閉じた。ああ糞、自然と漏れそうになるなんて。それこそ俺らしくない。でも、


「ん・・・なに?かんだぁ・・・」


「はぁ・・・好きだっつたんだ。」


もう我慢ならん。


「ぁっ、待ってっ、かんだ!っ、ぁあ!」


ぐっ、と膝を持ち上げる。既に愛液が溢れ出している蜜部を左右の親指で広げ、舌を這わせる。


「待っ、やぁ!っぁあ!ぁ!」


じゅるじゅると音を立てて吸ったり、舌を挿れてみたり、上の突起を摘んでみたり。ノーパンで寝ていやがった事のお仕置きだ。


「あぁ、あっぁ、ぁっ、かんだぁ、やだぁっ、もぅ・・・っ、ぁっ」


「1回イッとけ、」


そろそろか、と思い柔らかくなった其処に指を二本。ひくひくと痙攣していて、とても熱い。これから此処に自身が入るのだと想像しただけで達してしまいそうだった。


指の腹で上の方を撫でるとニカの腰がビクン、と浮いた。


「ぁあ!ぁ、イッ・・・っはぁっ、!」


指をぎゅうぎゅうと締め付けて果てる彼女。力の抜けた体の上に再び覆い被さると、涙を溜めた瞳がこちらを捉えた。


「ま・・・待って、」


「駄目か?」


彼女の肩に額を置いて、スリ、と擦る。なるべく辛いようにはさせたくないが、苦しくてどうにかなってしまいそうだ。


「もう挿れたい・・・。」


「〜〜〜〜っ、わかったよ・・・。」


顔を真っ赤にして狡い、と呟く彼女の頬にキスをして自身のズボンに手をかける。露になった反り立つ其れを見て目をそらす彼女の膝を広げて、赤く腫れた先をあてがう。


「っんぁ、はぁっ、っ、」


「くっ、力抜け・・・っ」


狭くて熱い。やはり長くはもちそうにないな。ゆっくりと出し入れを繰り返して、最奥を目指す。


「はぁっ、はっ、っ!」


「痛い、か?」


「も、よくっ、わか・・・なっ、んんっ」


ぎゅっと服を引き寄せられて彼女の上に覆い被さる形になる。強ばった体を抱きしめ返して宥めながら再び腰を動かす。


「ふ、今日は甘えただな。」


「ばかぁ・・・ばかんだぁ・・・っ」


やっとの事で最奥に辿り着き、ひと呼吸置く。相変わらず服を掴んだ手を取り指を絡め、口付けながらツン、と奥を突くと、唯でさえ狭い膣内が更に締まった。


「ひぁ、あ・・・っ、あぁぁ!」


「っ、く、悪い・・・ニカ・・・っ」


耐えられなくなり、一気に奥を突き上げると彼女の体が大きく跳ねた。熱くて頭の奥がぼうっとする。それなのにもっと触れていたくて、ニカの腕を引き膝に乗せ、ぎゅっと抱きしめる。


「待っ・・・んぁあっ!これ、やだっ、奥っぁ、イッちゃ・・・!」


「はぁっ、く、俺も・・・っ」


「ぁっ、あぁっ、んむっ、んぁああっ!」


唇を重ねながら大きく突いた刹那、ニカの中が大きく波打った。耐えられるはずもなく、男の性を彼女の中に放った。





──────────・・・・・





「そう言えば、機嫌がなんちゃらで夢がどうとか言ってたな。」


自身の胸に背中をあずけるようにして湯につかるニカが、どういう意味?と訊ねた。キョトン顔で振り返る彼女の額を小突いて、前を向かせる。


「ぁてっ」


「お前は知らなくていー話。」


「・・・秘密ってやつですか。 あー糞、お前のことも覗けなくなっちまったから・・・。」


「俺からしてみりゃ色んな意味で良い話しだけどな。」


「・・・。」


「いーだろ別に、お前が思うような不安なんざ一つもねえんだからよ。それに、」


「・・・それに?」


「誰にも言わずに自分だけでひっそり楽しみたい事だってあるだろ。」


「・・・あー。解る・・・凄い解る。」


「ニヤニヤしやがって、何か一人で楽しんでん事あんだな?オラ、言え!隠し事はなしだ!」


「神田さん、理不尽すぎだろ。」







束の間の休息








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後書き


お久しぶりです。
久々に更新したと思ったらただのエロとか舐めてんのか!なんて言わないでちょーだい☆
私は相変わらず元気です。いくつか書き貯めているものがあるので空いた時間に貼っつけていきます。


たつき



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