拍手お礼ログ

※拍手お礼として載せていたミニ小説ログです。

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※現パロで85です。




「あ、また抜かれてる。」

バッツの目の前にあるディスプレイには音楽ゲームのスコア ランキングが表示されている。

ランキングにはバッツが登録しているニックネーム”boco”が2位と表示されており、その上の1位には"グリーヴァ"と表示されていた。


プレイヤー”グリーヴァ”は最近になって突然現れたプレイヤーだった。

このプレイヤーが現れるまでは”boco”がこのゲームセンター内では常に1位だった。
しかし、ここ最近は1、2位を行ったり来たりしている。


「(おれ、そこそこできるほうだと思ってたんだけどなぁ。まぁ全国だとあんまりだけど…。)」

井の中の蛙だったかと若干恥ずかしくなると同時にプレイヤー”グリーヴァ”とは一体何者なのか気になった。

「(記録の更新は昨日の夕方。短期間でこのスコア、やりこみ度だからおれと同じ大学生かな?もしかしてすれ違ってるかも・・・。)」

何処の誰だかわからないプレイヤー"グリーヴァ"。

一度会ってみたいと思ったが首を振る。

「(さすがにそれは無理だろうなぁ)」

しかし、バッツの予想は外れることになる。
プレイヤー”グリーヴァ”…高校生の無口な少年に出会うとはこの時まだ思っていなかった。


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音ゲーからの出会いということで。
バッツの持ち曲は「マンボdeチョコボ」だと思ってます。






■ 拍手お礼 ミニ小説

「(・・・またか。)」

スコールの目の前にあるディスプレイには音楽ゲームのスコアランキングが表示されていた。

スコールのゲーム上のニックネーム”グリーヴァ”の上には”boco”というニックネームが表示されていた。

「(・・・この前抜いたと思ったら・・・。)」

近所のゲームセンターでは音響がいまいちだったので、こちらのゲームセンターに行くことにしたのだが、なかなか1位をキープできない。

以前の店では余裕だったのだが、この店のプレイヤー”boco”とは抜きつ抜かれつを繰り広げている。

「(・・・更新日付がまちまちだから・・・恐らくゲーマーな・・・大学生か・・・。)」

これだけのスコアを出すのは相当やりこんできたはず。
お気楽な大学生なのだろうと予想した。

「(まぁ、想像しても仕方ないな・・・。)」

しかしこのときのスコールの予想は外れることとなる。

おおよそゲーマーに見えない明るく元気な青年に出会うとはこの時思ってもいなかった。

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音ゲーからの出会いスコールサイド。
スコールの持ち曲は「Maybe I′m a Lion」(FF8 ラスボス曲のひとつ)でしょうか?
(続き…ますかね(汗))






■ 拍手お礼 ミニ小説

「(ランキング、どうなってるかな?)」


今日の講義が突然休講になったので早い帰宅となったのだが、家に帰っても何もすることがなかったのでいつものゲームセンターに寄り道することにした。


バッツはゲームをする前に自分と、心の中でライバルと思っている"グリーヴァ"のランキングを確認する。


「(相変わらずの接戦だなぁ。)」


ランキングを見ると、先日まで一位だったのが、また"グリーヴァ"に抜かれていた。

スコアの更新日を見ると、昨日のちょうど今頃だった。

「(中々キープできないのがちょっと悔しいけど、そうこなくっちゃおもしろくないよな!)」


そう思うと俄然やる気が出てきたので、台の方へ向かうと今日は先客がいた。


背の高い、整った顔立ちの男が真剣な表情でディスプレイに映し出されている譜面に合わせてボタンを叩いている。


「(へー、真面目そうな風貌なのに、ゲームするんだ。)」


黒いシャツにジーンズの男はゲーセンにいるよりも図書館や美術館の方が似合いそうな風貌だった。

目の前の男がどれ程の腕前か気になり、背後からディスプレイを覗き見する。


「(…こいつ、かなり上手いじゃん!)」


複雑な譜面の音楽ゲームをミスすることもなく、画面の譜面に合わせてボタンを叩いている。

ミスの数を確認すると、どうやらノーミスでいるようだった。
コンボ数が面白いくらいに加算されていく。


すると、ふとコンボ数の上に表示されているプレイヤー名が目に入った。


Player:グリーヴァ


「あーっっ!!」


考える前にディスプレイを指差し大声をあげていた。


バッツが大声をあげたため、びっくりしたのか、男の背中が一瞬びくつくと同時に、今まで順調に続いていたコンボカウンターが停止し、ミスカウントに1が表示された。


「(げっ!?やばっ!)」


今までノーミス・フルコンボできていたプレイヤー、もとい、ライバル"グリーヴァ"の邪魔をしてしまい、バッツの背中に冷や汗が流れた。



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出会いました。





■ 拍手お礼 連載ミニ小説


「(・・・ランキングは変わらずか。)」

スコールはゲームのスコアランキングの一番上に自分のニックネームが表示されていることを確認した。


学校が終わり、家から少し離れたゲームセンターに向かうことが当たり前になりつつあった。


音響設備が気に入ったこともあるが、なによりも、プレイヤー"boco"の存在。

ランキング一位になったと思ったらすぐに抜かされてしまい、競い合うのが少し楽しみに思うようになったのが一番の理由だとスコールは思っている。


顔も知らない相手に熱くなることは自分でも意外だと思った。
冷静でいることを大事としていたのだが、単調な日々の楽しみの一つだと思うとすんなりと受け入れることができた。


ゲーム台の前に立ち、プレイヤー認証用のIDカードをタッチしてコインを入れる。

オープニングの音楽が流れると、スコールは少し深呼吸をして画面に意識を集中させた。

「(・・・はじめるとするか。)」

ボタンをタッチし、自分とプレイヤー゛boco゛との勝負を開始した。




今日はいつも以上に調子がよかった。
苦手な譜面をミスなく音楽に合わせてボタンをタッチできている。

「(このまま順調にいけば自己ベストを出せる。)」


そう確信した時だった。


「あーっっ!!」


自分の背後から突然の大声。


プレイに集中していたため、その声に驚き、ボタンをタッチしそびれてしまった。


「(しまった!)」


曲に合わせて正しくボタンが押せなかったため、画面に゛ミス゛表示が一瞬点滅されたのが見えた。


「(やはりしくじったか・・・。)」

曲が終了し、スコアが表示されると、ミスカウントに゛1゛が表示されていた。

突然の声に驚いていなければ、フルコンボでクリアできていたかと思うと悔しく思ったが、終わってしまったことだから仕方がない。

次のプレイヤーに台を譲ろうとふりかえると、一人の男が立っていた。


栗色の癖毛の、少し瞳が大きい、人懐っこそうな顔の青年だった。
ラフなパーカーにジーンズ、専門書らしき本が入ったバッグとゲームのIDカード。


近くにある大学の学生かと思ったと同時に頭を下げられた。


「プレイ中邪魔してしまってごめんなさい!」


青年の声は先ほどの大声と同じ声とすぐにわかり、自分の邪魔をしてきたことに謝っているのだと理解した。

確かにあの声がなければ自己ベストだと思うと多少は恨めしいが、そこまで謝られるとこちらまで気にしてしまう。

「…気にしなくていいです。」


そういって立ち去ろうとしたが、目の前の男がおずおずとした表情でこちらに話し掛けてきた。


「・・・グリーヴァ・・・さん?だよね?」


自分のニックネームを言ってこられるとは思わなかったので、若干驚いたが、このゲームのプレイヤーなのだろう。

すると、男の背後にあるランキングが表示されたディスプレイがふいに目に入ってきた。


わざわざ自分のニックネームで話し掛けてきた大学生。
カバンから覗くIDカードはよく見れば使い込まれているのかデザインのカラー部分が少し色褪せている。

スコールの頭の中に一つの可能性が浮かんだ。


「・・・間違っていたらすみません。・・・bocoさんですか?」

予想していた人物と違っていたし、確信できるところが何もなかったため自信はなかった。


外したら恥ずかしいと思ったが、目の前の青年はスコールのそんな不安を消し去るかのような、明るい笑顔でゆっくりと頷いたのだった。



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音ゲーはポップンとjubeatぐらいしかしたことがないので描写が怪しくてすみません;





■ 拍手お礼 ミニ小説


「スコール!おまたせー。」

休憩用の椅子に座っていたスコールにバッツは小走りで駆け寄る。
学校帰りなのか、制服姿に学生鞄を持っており、大人びた外見と多少の違和感を感じてバッツは笑いそうになった。
そんなバッツに気が付かないのか、スコールは学生鞄を持って立ち上がり、軽く手を挙げて迎えた。

「遅かったな。」

「ごめんよ。演習がちょっとオーバーしちまってさ。待ったか?」

時計をみると、本来の時間より20分ほどオーバーしていたが、スコールは「いや、適当に遊んでいたから問題ない。」とさして気にしていない様子だったのでバッツはほっと安堵した。

「そっか。それならよかった。じゃあ早速、今日もひと勝負といきますか!?」

カバンからプレイヤー用のIDカードを取り出し、明るく笑うと、スコールもまた、カードを取り出して頷いた。

「いいだろう。」


思いがけない出会いから一ヶ月。互いに会うことも話すこともないだろうと思っていたのだが、バッツとスコールはすっかりプレイヤー仲間になってしまった。

はじめは互いのイメージのギャップに多少驚きつつも、話をしていると性格はまるで違うが、バッツの明るく、話題が豊富でよくしゃべるところと、スコールの無口だが聞き上手なところが上手く調和したようだった。

ここ最近は学校帰りにいつものゲームセンターでスコア争いに興じることはもちろん、隠し曲の交換や曲をセッションして遊んだり、ゲームの後にはカフェやフードコートで雑談をするまでの仲になった。


いつものゲーム台に2人並んで立ち、プレイモード”通信対戦”を選択すると曲の選曲に入る。
この動作もここ一か月で何度行ったのかもう覚えていないくらいだった。


「連続3戦勝利で、メシおごる約束、忘れてないだろうな?」

「忘れるものか。そっちの2勝連続は今日でストップだ。」

現在スコールから通信対戦で2連勝しているバッツは今日勝てば3連勝達成でスコールから食事を奢ってもらえる。

3歳年下のしかも高校生に奢ってもらうのは大人げないので最初は「ジュース一本。」を提案したのだが、スコールから「勝った時の褒美が大きいとやる気がでる。」と言われたため食事を奢ることになったのだった。


「その余裕はいつまで続くのだろうな。」

スコールが挑発するかのように言うと、バッツもまたスコールに向かって宣戦布告をするかのように人差し指を彼に突き付けた。
勝負の世界は非情なのだ。たとえ年下でも、ライバルなので負けたくはない。

「リックスのハンバーグ定食はいただきだぜ!勝負だ!」

「望むところだ。」

曲のロードが完了し、選曲からプレイ画面に移り、二人のプレイヤー名が並んで画面に表示された。

隣の台で明るく笑うバッツにスコールも不敵な笑みを浮かべ、イントロが流れ始めると二人は真剣な表情で画面に視線を移し、ボタンに手を添えた。

一人の時もそれなりに楽しんでいたが、ゲームのプレイ幅が増えたこと、そしてゲームを始めるまでのこのやり取りが楽しい。

年齢も性格も違う者同士だったが、好きなものが共通しているだけでここまで打ち解けるとは思わなかった。
好きなものでも、一人よりも二人で盛り上がることの方が以前に比べて断然楽しい。

お互いにそう思いながら、最初の譜面のキーを叩き、勝負開始した。


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学校が終わった後の待ち合わせっていいですよね。
まだ続きます・・・。





■ 拍手お礼 ミニ小説



今日も2人でゲームバトルを繰り広げ、いつものように決着がつかず、途中休憩を挟むことにした。

ゲームセンター内の小さなドリンクコーナーで、二人並んで椅子に座り、冷えた飲み物で喉を潤すと体が少し軽くなったように感じる。
体が水分を欲していたことに今更気づき、余程二人でゲームに没頭していたんだと、スコールは少々驚いた。

一人の時とは違い、バッツと2人でゲームをプレイすると時間や疲労を忘れがちになる。

「(・・・疲れるのを忘れるくらい遊ぶのは子供の頃以来だな。)」

それだけ気を許してしまっているのだろうかとスコールは横にいるバッツを盗み見る。

バッツはスポーツドリンクを一気に飲み干す勢いで喉を鳴らして飲んでいたが、スコールの視線に気づき、傾けていたペットボトルを垂直にしてへらりと笑いかけた。

「今日も決着がつかなかったなー。」

先日、2連勝までスコールを追い詰めたが結局が勝てずに、奢りの約束も持ち越しになってしまった。
実力が拮抗しているとはいえ、面白くなるくらいにお互いに3連勝を達成することができない。

ただ、どちらも簡単に決着がつけば面白くないと思うタイプなので、そのほうがむしろ楽しいと感じている。

そのためバッツもスコールも飽きもせず毎日のように会って勝負することができているのだと互いに思っていた。

楽しそうにバッツは再びドリンクに口をつけ、スコールもまた、自分が持っていた缶コーヒーに口をつける。
壁に掛っていた日付付きのデジタル時計を見るともう7月中旬。
気が付いたらもうすぐ夏休みだった。

「今日は決着が付かなかったが、もうすぐ夏休みだ。勝負はこれからだ。」

時計を見ながら言うと、バッツはドリンクを飲むのをやめて、申し訳なさそうに頭を掻いた。

「あーおれ、夏休みはバイトなんだ。」

ただのバイトなら、ゲーセンに来れないくらい時間を拘束されないと思い、スコールが首を傾げると、バッツはさらに話を続けた。

「幼馴染がさ、地元でペンション経営してて。そこで夏は客が増えるから手伝わないかって誘われて。」

バッツは大学に通うため、地元を離れて一人暮らしをしている。
地元のペンションでアルバイトなら、帰省して纏まった日数をそこで過ごすことになるのだろう。スコールはようやく合点がいった。

「まぁ、大学生なら休みも長いから稼げるな。」

普段のアルバイトでは比べ物にならない位の収入になる。
それならば乗らない手はない。

「そうなんだ。ごめんな、だから暫くは遊べないんだ。」
「気にするな。今まで一人でプレイしていたんだ。気を付けて行ってきてくれ。」

手を合わせて謝るバッツに、スコールはなんでもないとばかりにひらひらと手を振った。
今まで一人でゲームセンター通いをしていたのだから、暫くの間は張り合いがないものの、遊ぶには問題ないだろう。

「わるいな、夏休みの帰省土産買ってくるからな!」

いつもの笑顔で椅子から立ち上がるバッツに、スコールは眉間に少し皺を寄せる。

「・・・ご当地チョコボはいいからな。」

バッツのカバンには複数の黄色い鳥のキーホルダーにストラップがぶら下がっていた。
スコールは彼が好きなキャラクター"チョコボ"商品の数々を今まで何度か押し付けられたことがあり、携帯にも半ば無理やりストラップをつけられている。

そのため彼の土産は容易に想像できた。
それはどうやら当たりだったらしく、バッツは不満そうに頬を膨らませた。

「なんでだよ!!かわいいだろ!?チョコボ!!」

バッツが好きなキャラクター"チョコボ"は数えきれないくらい商品展開をされているくらい人気がある。
ただ、人気は女子供が中心で、男性がもつには少々かわいすぎる代物だった。


「・・・5羽もいたらさすがにもういらん。」

スコールがカバンの中を開けると、バッツが今まで渡したチョコボのストラップにシャープペン、メモ帳に下敷きにクリアケースが新品同様に収まっていた。

チョコボの魅力を分かってもらえず。心底嫌そうな顔をするスコールとまったく使われていないチョコボグッズの有様を目の当たりにして、バッツは手を振り上げて「ひっでぇ!!」と大声で叫んだ。


そんな2人の夏休みはもうすぐそこだった。



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ご当地チョコボ・・・バッツは集めそうな気がします。


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