いろめの効果

※かなり頭の悪い内容のギャグとなっています。
※かっこいいスコールさんはいません。
※バッツさんが少し腹黒いです。




赤いシャツに黒いすっきりとしたパンツにダンスシューズを履いたバッツの姿はフラメンコでも踊りだしそうな格好だった。

「どうだ?踊り子だぞ?」

胸をはり、目の前にいるジタンとスコールに感想を聞くが反応は微妙なものだった。

「・・・情熱的な色合いの衣装だな。」
「・・・女の子なら良かったのに。」

呆れと残念感が漂う雰囲気を醸し出す2人にバッツは少々憤慨した。

「意外につかえるんだぞ。このジョブ!!」

そういわれたものの、2人の世界には踊り子が闘うイメージはないのでいまいちピンとこない。
武器は手に持てるものの、服装はかなりの軽装で防御力がほとんどなさそうだった。

「…その格好でベヒーモスや鉄巨人が現れたらどうする。」

凶悪なモンスター1、2位を争う2体が現れたらひとたまりもなさそうだとばかりにスコールがいうと、バッツは剣を手に持ち踊るように振るった。


「大丈夫!!その時はこの”つるぎのまい”で大ダメージ与えて返り討ちにできるぜ!」
「・・・なるほど。」

確かに今見た”つるぎのまい”なら殺傷能力が高そうだ。
見た目だけでは判断できないものだとスコールは頷いた。

それに気をよくしたバッツはさらに踊り子の良さを分かってもらおうと話を続けた。

「それに旅をしているとこのジョブの能力が役に立つ時があるんだぞ。」

旅をして役立つ。
見た目がかなり派手なこの格好が何に役立つのかジタンは興味津々の顔でバッツに続きを促した。

「例えば?」

「踊って路銀稼ぎができるし、情報収集しやすいんだぞ。」

踊り子を強調するかのようにくるりと回りながらバッツは答える。
踊りができるなら、バッツの世界なら酒場で金をもらうことができるだろう…と2人は納得した。
しかし、情報取集と踊り子がいまいち結びつかない。

旅人から話を聞けるからなのだろうか?と、スコールは思った。
ガーデンの授業でも変装してターゲットの周辺の聞き込みなどをすることを学んだが…。

純粋に興味がわいた。

「…酒場で旅人や店員から聞き出すのか?」

スコールの問いにバッツは頭をかきながら答えた。

「それもあるけど、相手を誘惑してこう思い通りに・・な。」


バッツの発言にスコールとジタンは驚愕した。
普段色気とは程遠く、明るく朗らかに笑う彼からは相手を誘惑する姿はとても想像できなかった。


「(バッツが誘惑…!?)」

「・・・お前、意外に腹黒かったんだな;」

「しかたないだろー旅には情報が必要なんだぞ。スコールやジタンの世界みたいに飛空艇が一般的だったり、えーと”でんしゃ”とか危険を伴わず旅をする方法があればいいけどさー。
目的地に行くための安全な道や賊の情報とか、その情報料目当てに悪徳な商売する旅人もいるんだぞ。」

ジタンの”腹黒”発言の言い訳をするかのようにいうバッツにスコールは固まった。

「(バッツが男相手に誘惑…。)」

男を相手にとは言っていないが勝手な想像をして固まるスコールをよそにジタンはわざわざ挙手をして質問をする。

「あのさ、オレにはどうもお前が誘惑して話をききだしたりできるとは思えねぇんだけど。女性相手ならともかく、今の口ぶりからすると男相手にもしていたんだよな?」

バッツは整った顔立ちをしているものの、素朴な印象であるため人を誘惑できるとはとても思えない。
セシルやクラウドのように美人の部類の男性なら何とかできるかもしれないと思ったが、生憎男に興味がないジタンからすれば男の誘惑なんて見た日には鳥肌ものだと思った。

そんなジタンにバッツは待ってましたと言わんばかりの表情をした。
どうやら相当技に自信があるらしく、腰に手を当てて胸を張って答えた。

「そこは踊り子の技を使うんだよ。」


「なんだよそれ?」

踊り子の技の一言にジタンは眉をひそめた。
何がなんだかと言いそうな表情のジタンにバッツは更に続けた。

「”いろめ”っていう技を使うんだよ。モンスター相手なら一瞬動きを止めるだけなんだけどな。」

バッツはそう言うとようやく復活しかかったスコールに目を向け、何かを企んだかのような顔をする。

きっとよからぬことを考えているに違いないと、嫌な予感を感じるジタンに「見てろよ。」と自信満々にバッツは言うとスコールの方へ歩み寄った。

「…スコール。」

普段よりもしっとりとした声で呼ぶと、スコールが顔を上げた。

目の前に立つバッツの瞳が妖しい光を宿している。
いつも明るく太陽が輝くかのような光を宿しているのに、今の彼の瞳は落ち着かない。酷く心を乱される。


ドラマや映画に出てくる相手を誘惑する女優のそれと似ていたが、それ以上に無理矢理引きずり込まれそうな強い力を感じる

スコールがまずいと思った時には時すでに遅し。バッツが目をそらせないように両手でスコールの顔を包み込む。

「な、あとで二人っきりで話さないか…?」

小首を傾げながら言われるとスコールの中で何かが崩れ去った音がした。

昔から相手に心を奪われることを「落ちる。」と言うが適切な表現だと、スコールは残った理性が消えていく中で最後にそう思った。


ぼんやりとした表情になったスコールにバッツはいつもの笑顔になり、くるりとジタンの方を向いた。

「どうだ?すごいだろ?」

バッツの”いろめ”は傍から見ていても恐ろしい色香を放っていた。
奈落に引きずり込むかのような何かを感じる。

男に興味がないジタンもあれなら誘惑されて洗いざらい何もかも話してしまう奴がいてもおかしくないだろうと思った。

しかし…今バッツが”いろめ”をしたのは想いを寄せ合っている相手。

こちらを向いているバッツは気づいていないようだが、スコールが熱っぽい目でバッツを見つめている。

バッツは何もわかっていなさそうだが、この後スコールがバッツに何をしでかすかジタンには容易に想像できた。


「(…今夜こいつらの部屋に近づかねー方がいいな…いや、今すぐ逃げた方がよさそうだな;)」

ジタンは厄介なことに巻き込まれる前にシーフの技”とんずら”で逃げることを決めた。


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この後バッツさんはどうなったでしょう?

@つるぎのまいでスコさんを返り討ち。

Aふたりのジルバで体力を奪った隙に逃げる。

Bミステリーワルツがあまり役に立たずに観念する。

Cみわくのタンゴで混乱させてしまって余計煽らせてしまう。


色々すみませんでしたっ!!!!


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