あなたが分け与えてくれた愛が、熱を帯びて身体中を蝕む。
内側から、じわりじわりと。
もう、限界だった。
ただのペットのように、どこにでもいるポケモンたちように、名前の隣で忠実なパートナーでいるのは。日を追うごとに、齢を重ねるごとに、触れるほどに強くなる熱情に、
ああ、これが雄としての性か
と、深く息を吐き出した。一度上昇した熱は止まることを知らず。誘われるように抱き締めた名前の身体が妙に熱く感じて。背中に回された華奢な腕が妙に愛しくて。幸せを、彼女を身体中で感じられた。
それでも現実は残酷なものである。
「っ…………、名前」
抱き寄せた身体も、指を通した艶やかな髪も、感じる体温も。所詮は別物なのだ、名前と己とは。
だから、彼女がこの熱情を知らないまま二人で溶け合ってしまえたらと、
そしてどうか、溶け合っても気が付かないでと。ただのポケモンである己はそう願うしかなかった。
melt down
あなたが分け与えてくれた愛が、行き場をなくし熱に変わる。それは身体を内側から溶かした。
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