※悲鳴嶼さんより年上なのに見た目が悲鳴嶼さんより幼く見える(合法ロリ)夢主で甘々なお話 ※リクエストありがとうございました!!
「あ!また野良猫に餌をあげましたね悲鳴嶼さん!」
頬をぷくと膨らませ縁に座る悲鳴嶼の元にやって来るなまえと言う名の可愛らしい少女が一人…。
「これ以上増やしちゃ駄目ってこの前言ったのにっ!もー悲鳴嶼さんは猫に甘いんだからぁ!」 「すまない…しかし猫と言うものはこんなにも…」 「ええそうですね、可愛いです猫はとっても可愛いです」
こんなにも可愛いのに、と悲鳴嶼が言いかけたが悲鳴嶼が猫好きだと言う事を知っているなまえはそう言うと背中に隠していたお椀をヒョイと出した。そこには猫が喜ぶであろう鰹節が入っていて、結局はなまえも猫好きで餌をやろうとわざわざ台所の方に取りに行っていたのだ。そんななまえを見て穏やかに口角を上げた。
「ほらおいで、美味しいよーお食べお食べ」
なまえが静かにお椀を置くと縁の下から白い猫が出てきて慣れた様子でヒョイと縁に上がりお椀に顔を突っ込んで鰹節を食べ始める。ガツガツと勢い良く口を動かす白猫を見てなまえはフフフと笑うと悲鳴嶼の隣に腰掛けた。そして悲鳴嶼の方にちらりと静かに視線を向けた。
「…悲鳴嶼さん、今回の任務も大きな怪我も無く無事に済んで本当に良かったです」 「なまえがいつも私の無事を祈ってくれているから、こうして帰って来る事が出来るのだ」
悲鳴嶼がくつろいでいるこの家は藤の花の家紋の家でなまえは家の住人である。住人と言っても住んでいるのはなまえ一人だからなまえはこの家の主と言う事になる。なまえは見たところ年齢は二十代前半…いつもニコニコと明るく笑っているせいか十代の少女に見える事もあるぐらいだ。おまけに小柄な人だから悲鳴嶼と並ぶと大人と子供ぐらい身長差もあり以前悲鳴嶼と共にこの家を訪れた玄弥はなまえの事を「なまえちゃん」と呼んでしまった事があるぐらいである。
だが実は。幼く見える外見とは反対になまえは悲鳴嶼よりも少しばかり年上の女性なのである。この藤の花の家紋の家は幼い少女が一人で住んでいる家と思っている者もいるが丁寧にきちんと仕事をこなすしっかりとした女性が切り盛りしている家なのだ。
「あ、食べ終わったみたい」 「身体のわりに見事な食べっぷりだな」
なまえが白猫頭を撫でようと手を伸ばせばスクッと立ち上がりプイとそっぽを向いてしまう白猫。そしてそのまま悲鳴嶼の膝にピョンと上り丸くなって落ち着いてしまった。
「まぁ!私には触らせてもくれないのに悲鳴嶼さんの膝には乗るのね!」 「なんとも愛らしい…」
自分の膝で眠りに付こうとする白猫をソッと優しく撫でる悲鳴嶼。
「悲鳴嶼さんの膝が好きなのかしら。ふふふ分かるわ、悲鳴嶼さんのお膝は広くて座り心地が良いものね」
そんな悲鳴嶼に近寄って白猫を見つめるなまえ。
「良いわ今はあなたに貸してあげる。私は大人だもの私はあなたの後で良いわ」
普段なまえはとてもしっかりしているが悲鳴嶼と二人の時だけは子供染みた事を言う事がある。貸してあげる、と言いつつも本当はもっと悲鳴嶼にくっつきたくてたまらないなまえ…そんななまえの想いを悲鳴嶼は知っているから白猫を撫でていた手で今度はなまえの頬にソッと触れた。悲鳴嶼に触れられるとなまえは子供のようにとても嬉しそうに微笑んで悲鳴嶼にソッと身を寄せる。
「悲鳴嶼さん…」 「なんだなまえ」 「今はウンとその子を可愛がってあげてください。でもその後は、私の事もウンと構ってくださいね」 「…承知した」
悲鳴嶼が任務帰りに立ち寄るなまえの家…さわさわと気持ちの良い風が悲鳴嶼となまえの間を吹き抜ける。なまえが悲鳴嶼を想うように悲鳴嶼だってなまえを想っている。隣に座るなまえを猫のように愛らしいと思いながら、日々過酷な任務の合間にたまにだけあるこの穏やかな時間が大好きだと悲鳴嶼は思いなまえの頭を優しく優しく撫でるのだった。
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