コトハは、最初に出会った少年たちの基地に横たわっていた。
目が覚めれば、目の前にいた彼らにお礼をするが二人は大丈夫であろうかと心配をしていた。
「(どうしよう、アラタ様と巳束さん、大丈夫かなっ)」
* * *
あたしたちは、オソメさんの店に連れて来られれば、カウンター席に革と一緒に座らせられる。
「へぇ“アラタ”と“ミツカ”っか、何か飲む?」っと聞かれたので、革と一緒に「水」をお願いする。
彼女に経緯を話せば「ふーん、で!その彼女捜してんだ。あ!でも、あんまり品物見せちゃだめよ」っと、指摘をしてくれる。その言葉に「わかりました…」と告げた。
「でも、驚きました。ココで商売をしているなんて」
「そりゃ、生きてくためよ」
「だって毎日ある“ツツガ様の審判”でいつ選ばれるか分からないのに?」
その言葉にフフッと、笑えば彼女は「あんたたちみたいなもんが、一体なにやらかしたの?」っと聞く。
革の顔を見合わせて、一緒に「「無実です」」と言えば、後ろの席のおじちゃんたちが“はっはっはっ”と愉快に笑った。
わしらも、そう訴えたがお上は聞いてくれない。無実の罪で20年、ツツガ様の裁きを待っていると。
「……ツツガ様ってなんなんだ…」と革が呟けば、オソメさんが「“鞘”よ」っと教えてくれる。
「劍神」を操る鞘。その神意でこの流刑島「ガトヤ」を支配しているっと。
彼らは願っていた。鞘の力に逆らうことが出来ない為、他の鞘が来て助けてくれないかと。対抗できるのは同じ鞘のみ。
その言葉に思わず、口に含んだ水をぐばぁっと革は零してしまう。
「革、しっかり!水、水」っと落ち着かせるが、ドキドキが止まらないようだ。
「僕たち、そろそろ行かないと、な!巳束」
「あ、うん!」
「がんばって捜しな、アラタ、ミツカ」っと言われ、オソメさんからガトヤの地図を渡してくれ先を急いでいた。
最後に「大切んもん、無くすんじゃないよっ」と、革に言っていたようだが大切なものとは何のことだろうか。
ただ革の頭には、鞘のことが気になっているようだ。「(お店で聞いた途端、慌てだしたし)」っと思って革を見ると、前方から来る人に気付いていない。
「革、前っ」というが遅かったようでドンっと打つかっていた。「しっかりして、コトハ捜すんでしょ」と声を掛ける。
革は巳束の言葉に、そうだ!っ思いコトハを見つけて脱出を、っと考えてポケットにしまった地図を見ようと手を入れるが無くなっていることに気付く。
「革、どうしたの?」
「!?、無いんだ」っと呟けば「さっきの男!!」と声を上げた。が、すでに男は居なくなっている。掏られてしまったのだ。
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