「ねえ?リコなんで、あたしの席にアンタがいるの」
「いやー、ちょっと1−Bに用があって」
「それなら、隣のクラスなんですけど…。
  ってか、リコがいるおかげであたし、今 浮いている気がするんだけど」

なぜだか分からないが、あたしの教室に幼馴染みである前に上級生である相田リコが足を組みながら座っている。
そのせいでか、クラスの人たちに白い目で見られていた。リコは、私がいなくても浮いてるんだから問題ないでしょっと痛いとこを突いてきた。まぁ、何かとサボっているからしょうがないんだけど。

「まぁいいや。で、何?リコがいるってことはあたしにも用があるんでしょ」
「ご名答!コレ、渡しておこうって思って」

リコは立ち上がり、見せ付けるように差し出した一枚の紙。それは入部届と書かれている用紙だった。

「無駄だよ、リコ」
「そんなこと言っても、どこにも入る気ないんでしょ。なら、席を置くだけでもいいから」
「でも、リコがマネージャーしているなら十分でしょ?」
「何言ってんのよ、捺夏。私は監督!」
「は!?え、何それ……聞いてないよ」
「まあ、聞かれなかったから言わなかっただけよ」

それだけ告げれば、何かに気づき入部届の用紙を机に叩きつければ廊下へと走って行ってしまう。


(あたし、確かに聞かなかった。それに聞かれてないから………あたしも言ってない)


リコはあたしが中学時にバスケ部でマネージャーをやっていたことは知っている。だが、言ってないことももちろんある。
そこに男子バスケットボール部とマネージャーと書かれているリコの文字が、なんだか痛かった。決めた心が、揺らいでいた。


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