君がいないというだけで、私の心には大きな穴が開いてしまった。
ただ、泣くことしか出来なくて。
二人で作った記憶の数々も、はかなく消え去った。
「あぁ、どうして」
私を見捨てていってしまったんだろう?
君との記録、メモリにするまえに大事な君自身がいなくて。
どうしろというのだろう?
失った過去は二度と戻らない。
君とつむいだ記憶を、どうやって修復しよう?
・・・出来るはずもない。
そしてあふれる涙とにじむ新たな風景、大事なものが欠陥した、この新しい風景。
こんなものに、なんの意味がある?
君さえ居れば、それでよかったのに。
あぁ、愛しのパソコン
(薫・・なんで泣いてるの・・・)
(パソコン壊れてデータ全滅した)
(・・・バックアップしなかったの?)
(それごと飛んだ)
(・・・USBは)
(今日移すつもりだった)
(データって奇跡の復活とか・・・)
(したら泣かないよ・・・・)
(150社分の売り上げ記録と分析、ね)
(・・・薫、ドンマイ)
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