「明日カラオケいこうよ」
「行く!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・
日曜日。
風は冷たいがまだ厚手のコートを出すには早い季節。
彼女らは池袋駅を出てすぐの、某洋菓子店の前で待ち合わせをしていた。
・・・はず、なのだが。
「集合場所ここでいいんだよね」
時刻の5分前になってもそこにいるのは彼女、蒲原薫だけ。
「いつも榊は早いのになぁ」
黒いパーカーのポケットから携帯を取り出して確認。
「悪い悪い、支店の方行ってた」
そんなあいだに榊さんご到着。
予想通りというかなんというか、彼女はジーパンにシャツ、羽織ものだった。
「ってアレ?みんなは??」
「まだっぽいね」
榊巴。支店に行くとは、どこまでいっても単純馬鹿である。
「あ、さーかーきぃーー!と、薫さん」
「とってなんだよとって」
上から、西山小百合、篠崎美影である。
「二人とも遅っせえぞ」
榊が笑いながら文句を言う、そのあいだに立川麗子がやってくる。
その後ろには菅平優香。
「あれ?高柳は?」
いつも菅平にひっついている彼女の姿がない。
「あー、璃華はコンビニよってから来るって」
「お待たせぇー!!」
総員が振り向いた瞬間。
高柳が、歩いていた女性二人に突っ込んだ。
「「「「・・・・・・・・」」」」
「え・・・・」
「何してる・・・・・」
はい、高柳さんご案内ー。
・・・・・・・・・・
「優香ちゃん足きれ〜〜!」
登場直後からそんなことを言う高柳。
「あーそれわかるー」
「ってか何故遅れたし」
若干息があがったままの高柳に問うのは蒲原。
「あのね、コンビニでパン買って、急いで駅いったらちょうど電車でてっちゃってさぁ」
「へー、災難だね」
つらつらと愚痴をこぼす高柳、相槌を打つ蒲原、菅平。
三人の後ろには残り4人がついてきている。
「ってかさぁ。薫は『そーだよねー』とか後ろ向いて相槌打ちながらもきれいに人よけてるのに、なんで璃華はさっき前向いて人とぶつかったの」
「そりゃ璃華がどんくさいからでしょ」
「違うし、薫が器用なだけだし」
「いや、確かに薫が器用ってのもあるけどさ、璃華は馬鹿だろ。前向いてるんだからせめて迂回しようよ」
「うん。確かに。」
Let’s カラオケ!
(この人数で一部屋?)
(あいてるかな・・・)
(大丈夫、予約してある)
(さすが)
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