most happy!



レギンレイヴの城下町。
私はその町中にある自宅で、いつも忙しい彼に手料理をと腕を振るっていた。

彼…アルヴィスはクロスガードの仕事で忙しく、中々会えない日々を送っていた。
そんな彼が久しぶりに休みだと言うのだから嬉しくて、上機嫌でトントンと音を刻む。


一通り準備は出来て、あとは煮込み終わるのを待つだけとなった。
エプロンの紐を緩めるとソファに座るアルヴィスが名前を呼んで、ちょっと良いか?と呼び寄せた。




「なぁにアルヴィス?」




エプロンを椅子に掛けてからアルヴィスの元へ近寄ると、腕を引かれて彼の膝の間へと座るように導かれる。
そのまま包み込むように、後ろから比較的弱い力だが抱き締められて身動きがとれなくなった。




「あ、アルヴィス?どうしたの?」




唯一包まれていない顔だけ動かして彼の表情を見ようとするが、俯いて垂れた前髪で表情が伺えなかった。

再び、囁く様に名前を呼ばれて、思わずはい、と返事をする。
すると、俯いていた顔が上げられて視線が交じり合う。真剣さを宿した青い瞳に、鼓動を高鳴らせつつも、彼の言葉の続きを待つ。




「俺は、残りの人生をお前と一緒に歩みたい」




だから、と続け抱擁を解いて、しなやかな動作で左手を握って向き合わされる。




「俺と、結婚して欲しい」




驚き、嬉しさ、恥ずかしさ、込み上げる感情はたくさん混ざり合って名前は解らない。けれど、




「……はいっ」




これが幸せなんだろうな。僅かに朱をさして微笑んだアルヴィスに寄り添って、私はそう感じた。




most happy!


* * *

誕生日後に書いた結婚ネタなアル夢でした。
最初書くつもりはなかったんですが、私の右手が勝手に…!
久しぶりに短い話になりましたね。そして結婚ネタと言うかプロポーズネタな件について。
ちなみにアルは18以上の設定で。22でも良いかな!
メルヘヴンでの結婚出来る年齢って違ったりするのかしら…


(10/04/03)
(10/07/10)



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