涙と白濁が零れた埃塗れの床の上に転がされる。
腕は何時の間にか解放されているのに動けない。腰から下ががくがくと震え、起き上がることすら出来なかった。


他人の手によって無理やり生理的欲求を解放された現実。
先程までの恐怖と混乱がさらに大きくなり今すぐ逃げ出したかったのに、身体に満ちる激しい熱に身体が麻痺したように動かない。



「――ッ!」

不意に伸びた手がジュードの前髪を強く掴んで顔を上に向かせる。
痛みに声を漏らす前に何かが突然降り注ぎ、反射的に目を瞑った。

断続的に顔や髪を濡らすものは生温かく、つんときつい独特の匂いが漂っている。
ゆっくりと目を開け、顔の輪郭を伝って床の上へと落ちたものを見ればそれは白く濁っていた。


頭上で複数人の満悦そうな笑い声が響く。
視線だけ上に移動させればそこには剥き出しのままの自身がジュードの頭を囲うように並んでいた。
強姦者達は荒い息を吐きながら自身を扱き、低く短い唸り声をあげたと思えば白濁を幼い顔へと容赦なく解放した。



「っ、や…――あぁ、あっ!」

白濁に塗れた顔を振ろうとした瞬間、再び男の指が後蕾を割った。
うつ伏せ状態のまま腰を高く上げさせられ、ぬるりとした液体を纏った男の太い指が抽挿を繰り返す。

先程より圧迫感が増しているのは挿入された指の本数が増えているためであると、正面の男がジュードの頬に自身を擦り付けながら説明する。
肉壁を押して狭い内部を拡げるように、中の三本の指がばらばらと動く。


「ひ、やあぁ!やだ、やだっ…」
「何言ってんの、これからでしょ」
「や、ぁっ…!」


男の言葉と同時に三本の指が後孔から勢いよく抜かれた。
痛み以上に尾を引くような甘ったるい感覚にジュードは小さい喘ぎを抑えきれなかった。


直後、双丘の谷間に熱い塊が押し付けられる。どくどくと脈打ち濡れたそれは硬い。背後を確認するまでもなくその正体は察知出来た。


「それとも、もう挿れて欲しいんだね?」


ジュードは首を必死に横に振った。それでも男達の問いに対する答えは意味を成さないことは知っていた。











「―――ああっぁ、いやああぁぁッ!」

喉を突き破りそうな悲鳴が幾重にも壁を反射して響く。
男の勃ち上がった物が纏わりつく肉壁の感触を楽しみながら容赦無くジュードの中へと侵入を進めていく。


「ひああいたいっ、いたい!っぁああ!」
「ちっ…やっぱり処女はきつい、な…!」


狂ったように叫ぶジュードには目もくれず男は半分も挿入出来ていない状況に舌打ちをする。
結合部は準備の際にたっぷり使用した潤滑油が濡らし、蕾の端を指先で撫でつければ細い身体はびくんと跳ねて呑み込んだ一物を締め付けてしまう。

「っんぁあ…!はぁっ、ぁ…くるし」
「ほら、ちゃんと深呼吸して」

はち切れんばかりに内部に満ちる圧迫感にジュードは乱れた呼吸を繰り返した。
循環する正体不明の甘い熱と後孔に満ちる暴虐的な熱に壊れてしまいそうだった。このまま死ぬかもしれない――そうすら思った。

少しでも苦しさを和らげたい一心でジュードは男の言われるままに、ゆっくりと息を吸ってから吐き出す。
荒い呼吸ではそんな単純な行為すらひどく難しいものに思えた。熱に浮かされた意識で必死に呼吸を繰り返した。


きつく閉じた後孔が深呼吸の合間に緩まり、男はその隙に納まりきらなかった残りの部分を一気に挿入した。
双丘に熱く膨張した対の袋がぴったりと密接する。


「ふぁっああ!や、奥にっ!」
「奥?奥をいっぱい弄って欲しいの?」
「ちが…!――ぁあ!あっあっ、や!」
「ほら、初めての男をしっかり味わうんだ」


男は都合の良い理由に笑みを浮かべながら肉厚のカリ部でぐりぐりと最奥を深く突く。
ジュードは嫌がって自分から逃れようとしても、太く熱い男の一物が内部を擦る感触にまた口から悲鳴まじりの喘ぎが漏れてしまうだけだった。






「ほら、動くよ」

男は短い宣言の後、ジュードの返事も待たず腰をゆっくりと前後に揺らし始める。
しっかり潤滑油と指で慣らした後孔は幸いにも今のところは出血していない。
だが激しい律動を繰り返せばどうなるかは分からない――強姦者達の珍しい思慮は、あっけなく欲望に負けてしまう。


「っいやああぁ!やッ、うごいちゃっ!ひぁ、あ!」

徐々に加速する抽挿に抗う術も無く、ぐちゅぐちゅと奏でられる卑猥な水音にジュードの艶めいた悲鳴が重なる。
細い腰は後ろから両手で赤くなるほど強く掴まれていた。

縋るものはここには何もない。涙と白濁で濡れた石の床にしがみつこうとも指先から赤い血が滲むだけだった。
その指先の痛みだけでは誤魔化せない程、下腹部から生まれる熱は激しく全身を犯した。










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