「あッんぁ、はぁっ、あああぁ…!」


一度は収まりかけた熱い呼吸が、更に荒いものとなって戻って来た。
ジュード先生の後孔に直接呑ませた催淫剤は今度はすぐに効果が出たようで嬉しい。

襲う激しい熱にジュード先生はシーツを乱してベッドの上で暴れ回る。
数度の射精で白濁塗れの自身も再び起立し、敏感な部分を指先でなぞるだけでも大きな反応を示している。効果の程も上々のようだ。




「やぁぁ…!おく、痒いっ、んぁあ…!」
「どこの奥?ちゃんと言わなきゃ分からないよ」
「っ、なかっ…さっき変なのいれて――ッあぅ!」

暴れる細い身体を押さえ込んで宥めるように頭を撫でると、ジュード先生は今唯一頼れる僕へと熱っぽい瞳のまま助けを求めてくる。

奥が疼いて仕方無いという彼の後蕾へと指を挿し込んだ。つぷりと指先を埋めれば玩具で慣らされた後孔はすんなり僕の指を受け入れていった。
ジュード先生の中は夢みたいにとろとろとして熱く、第一関節を小さく動かせば呑ませたばかりの媚薬がちゃぷちゃぷと水音をたてる。



「ッうぁあ…!痒い…痒いよぉっ…!」
「待ってて、今ちゃんと探してるから…」


僕はまるで本番前の準備のようにジュード先生の後孔を丁寧に掻き回している。
その優しい解き慣らしも今の彼にはもどかしいのか、明らかに腰を揺らしている。僕が動かさなくても指は抽挿を繰り返した。
指なんかじゃもう物足りないんじゃないか――悪魔の囁きが聴こえる。彼の疼きを収める為の一番手っ取り早い方法を。

駄目だ、駄目だ―――…いや、本当に駄目なのか?





そんな葛藤に揺れながら挿し込んだ指先で内壁を押していた時、それは偶然見つかった。


「――っひああぁんッ!?」


かつてこんな甘い嬌声をきいたことがあっただろうか。触ってもいないジュード先生の自身から薄い白濁が勢いよく吹き出した。

「ん、痒いとこってここ?」
「ちがっ、やぁ!ふぁんッ、そこやらぁっ!」

わざとらしく尋ねる僕にジュード先生は頭をぶんぶんと振って否定する。零れる生理的な涙にシーツがまた濡れる。

偶然とはいえ見つけてしまった前立腺を僕は嬉々として責め続けた。
電撃の走るような快楽に可愛いジュード先生はやはり嫌がる。しかし強弱を付けた刺激に、正直な自身は何度でも勃ち上がってしまう。
そんな様子をジュード先生は絶望したような瞳で見ていた。淫らに乱れた自分の姿をようやく認識出来たのかな?










「――やめて…、も…やめてぇっ…!」

すすり泣くジュード先生は何とも痛ましい。五回目の射精の後、ジュード先生は壊れたように泣き始めてしまった。
抱き締めて頭を撫でても、キスをしても、泣き止んではくれない。身体は今もなお強制的に感じさせられているのに何ともアンバランスだ。


「やだ泣かないで、ジュード先生」
「だったら…っうぅ、もうやめてよぉっ」


これで良心が痛まないほど僕は冷酷ではない。
本来の目的から逸れてはいないものの、泣きじゃくるまでだと流石にやりすぎたかもしれない。先生ごめんね。


ただ、このままジュード先生を自由にしてあげても困るのは彼の方だ。冗談抜きに。
僕のこの部屋から病院や学生寮まではそれなりに距離がある。身を隠しながら進んだとしても、熱の収まらない自身を勃ち上げながら外を歩くのはただの変態だ。
皆に見られて死ぬほど恥ずかしい思いをするジュード先生の姿も見たいけど――じゃなくて、流石に彼が可哀想だ。


「患者さんとか友達に会ったら悲惨だねえ」
「っ…それは…」
「…ん、分かった。じゃあ早く熱を収めてあげればいいんだね」


あと何回精を吐けばジュード先生の身体は落ち着くだろうか。心はとっくの前に滅入っているだろうが。
後孔の疼きもまだ身体を苛み続けている。それを含めて彼を手っ取り早く解放する方法は――やはりあの一つしかない。

駄目だ、駄目だ――僕は君を傷付けたくなんかないんだよ?それは本当だよ?
でも君が必要としているなら仕方無いよね。君の願いが僕の願いなんだ―――ああ、僕という奴は言い訳がましい。


僕の葛藤なんて結局は無駄だった、なんて自嘲気味に呟いても、ぱんぱんに張り詰めた太くて熱くて硬いものを取り出す僕の顔はきっと気持ち悪いくらいにやけていた。













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