その瞳がまず写したのは多分、目と鼻の先にある僕の顔だっただろう。

次に気付いたのは何だろうか。
深い接吻をされている事、胸の飾りを弄られている事、後孔を激しく犯す何かがある事――それとも自分自身の身体の異変だろうか?




「んっ、んぅ―――ッ!」

覆いかぶさる僕の下でジュード先生が暴れ出した。安いベッドのスプリングが喧しく軋んだ音を鳴らす。
小柄な体格とは思えない程の力で押し返されそうになったが、上からかかる大人の体重や、持続的に全身を犯す刺激に翻弄されてジュード先生の身体はベッドの上に縛られたまま。


あまりにも息苦しそうな彼に僕は我に返って、彼の咥内をぐるりともう一周舐った後舌を抜いた。
二人を繋ぐ銀糸が切れる前に、その糸ごと巻き込んで熟れた唇を一舐めするとジュード先生はまたびくりと震えた。


「っふぁ、」
「おはよう、ジュード先生」
「…!貴方、ぁん、何で、ッゃぁあ…!」


僕の姿を認識した彼は驚愕と困惑が混ざった表情をしていた。
先生は必死に言葉を紡ごうとしているけれど、目覚める前から先生の中で振動を続けていたローターのせいでまともに喋る事が出来ない。
細い身体が僕の体重で押し潰されたら可哀想なので、彼の上から退いてあげた。逃げられない自信はあった――今の彼ならば。


「や、ぁ、何でっ…?あつい、ッんぁぁ…!」


案の定、僕が退いた途端ジュード先生は本能的にベッドの上から逃げ出そうとした。
けれど腰を震わせながら身体を起こした時、彼はようやく自分の身体の異変に気付いたようだった。全身を巡る暴虐的な快楽の熱に。



媚薬を盛られていた事に気付いていない彼は正体不明の熱にただ戸惑うだけ。無意識だろうが、腰を僅かに揺らして。
荒い呼吸を繰り返して内部からの刺激に悶えるが、ジュード先生はベッドの上から動かない。いや、動けないのだ。


「…いやっ、ぁ!ふぁあ、あぅッん…!」
「随分善がってますね。これ、お好きなんですね」
「ちがっ…ぁんんッ、抜いてぇっ、ぁあ…!嫌ぁっ」


媚薬による催淫に加えて、恐らく初めてであろう玩具の刺激。
激しすぎる快楽というものをこの少年はまだ知らないのかもしれない。未知の刺激に恐怖を抱いても仕方無いが――それ以上に身体の方は正直みたいだった。


嫌も何もない。喘ぎの度に気持ち良さそうに蜜液を溢れ出させているのは紛れも無く先生自身だというのに。
嫌ならば自分で抜けば良い。それをしようとしないのも、きっと無意識なのだろう。









ジュード先生は悶えながらも、僕が何故こんな事をしているのか問いたげな瞳で見つめてくる。
彼の患者の一人である男が睡眠薬を仕込み、そして見知らぬ部屋へ連れ込んで玩具責め。まあ戸惑うのも仕方無い。

しかし勘違いしてもらっては困る。僕が彼をここに連れ込んだ目的は強姦なんかではない。
全ては愛しいジュード先生に気持ち良くなってもらう為の行動。彼が泣くせいで僕が悪者に見えるかもしれないが。






少し肩を押せばジュード先生の身体は抵抗なく再びベッドの上に転がった。
そして今すぐにでも解放を願っている、勃ち上がり張り詰めた先生自身へそっと触れた。

「――ッひうぅっ!?」

またしても可愛い反応。
ジュード先生がぎゅっと目を瞑るとまた涙が流れた。


「そろそろ抜きたいでしょ、先生」
「ッぁあん…ぁ!さわんないでぇっ!」


先生自身をゆるゆると扱き始めた僕の手を止めようと、白い指が掴みかかってきたが、震える指先では意味は成さない。
媚薬と玩具のおかげでこんなにも溢れ出てしまった先走りの蜜の滑りを借りて、僕の指は天使の可愛い一物を愛撫し続けた。


程良い振動でナカを犯す玩具の低い音。僕の指と先生自身が擦れる間で奏でられる小さく淫らな水音。
それにジュード先生の甲高く艶っぽい声。熱い吐息。素敵な音楽は今僕の部屋の中に満ちている。


「ふあぁッ…れちゃ、うぅ…っ!も、やめてぇッ」
「ん、出しちゃって良いんですよ。ほらやめないから」
「やめ、ぁ、あっあっ――――いああぁぁッ!」


嬌声と共にジュード先生はあっけなく果ててしまった。
どろりと熱いものは僕の手のひらに受け止められ、受け止めきれなかったものは彼のお腹の上へ滴り落ちていく。


僕は手の中にあるジュード先生の大事な白濁を舐めた。苦いはずなのに甘くさえ感じたのはきっと僕が彼を愛しているからだ。




「っは…ああっ…ぅんッ…!」

解放されてもなおジュード先生は熱い呼吸を繰り返していた。
原因は分かっている。彼の快楽をより引き出す為に僕が施したもの二つは未だ彼を甘く蝕み続けているのだ。

果てたばかりの先生自身がローターの刺激や僕の手による愛撫で再び勃ち上がり始めている。
二度、三度と彼が再び白濁を吐き出すのにそれほど時間は要らなかった。











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