ネタ帳 | ナノ
よんにげ!
「此処がユヅキの家か、素敵で良い所だ」
「はあ、」
「流石ユヅキの家だな」
「えっと、」
「ところでユヅキ、部屋はやはり相部屋だろうか」

何の話!!?
っていうか何で居るのこの人おおおおおおおおおお!!!!





時は遡る事数分前。
買い物に出かけた帰り道、柄の悪いお兄さん方に絡まれて困っていたところ。
なんとこのメインキャラクターに救出されてしまった私は、なんとかこの人から逃れようと奮闘していた。

「ところでユヅキはこれからどうするんだ?」
「えっと、家に帰ろうかと……」
「そうか、では行こうか」
「え、あの、もう大丈夫なので、」
「何を言うユヅキまた先程のように襲われるかもしれないだろうそれに私達は唯一の生き残りだぞ離れては駄目だむしろ永遠に一緒に居るべきだそうだ結婚しよう」
「ささささ最後おかしくないですか、というかあの、本当に大丈夫です、よ」
「そんな敬語なんてよしてくれ私達の仲じゃないか」
「いえあの、さっき会ったばかり」
「もう一生離れないからな」

駄目だこの人話通じない!!

その後も頑張ってみるものの、見事玉砕。
チキンなりに頑張った結果がこれだよ……!泣けてくるよ……!
もう心臓バクバクいってるよ、全く嬉しくない。

結局家まで連れてきてしまった。どうしよう。
しかも侵入してきてるし相部屋とか訳解んない事言ってるし。
頼むから帰ってくれ……!貴方が居ると私の平穏ライフが危うい!!

「やはり家具は新しく購入した方が良いな」

住む気満々だよこの人!!

やはり此処は一言物申してお帰り頂くべきだよね、そうだよね!
すーはーすーはー、ゆっくりー、落ち着いてー。
……よし、言おう。いざ!

「あの、クラピカさん」
「なんだ?」
「その……私、本当に大丈夫なので、心配して頂かなくても、えと、ど、どうぞ安心してお帰り下さいな」

言った!!

「遠慮しなくて良いんだぞ」

返された!!

こっちは全くもって遠慮してないのに、もうどうすれば良いのやら。
ああ、クラピカが物凄く素敵な笑顔だよ、周りにオーラ見えるよ、逆に怖いよ!!
もうやだ、泣きたい。

「やはり信用できないか」
「え、」

急にそう呟いたクラピカに、思わず目を見張った。
その顔が寂しそうで、悲しそうで、辛そうで、
ど、どうしよう、凄く罪悪感が増してきた。

「いくら同じクルタ族とはいえ、そう簡単に心を開いてくれる筈が無いな……」
「え、あの、その、」
「すまない、ずっと一人だと思っていたものだから」

ああああ、そんな事言われたら帰れとか言えないよおおおおお!!
私は生粋の日本人なんだよ、強く出れないんだよ!!
うわあああああん!

「だから、まだ私以外に生き残りがいると解って、とても嬉しかったんだ」
「ご、ごめんなさい、そういうつもりで言った訳じゃなくて、」
「出来る事なら、傍に居て、安心したかった」
「…………」
「……駄目か……?」

はい、もう負けました。
了承しちゃいましたよこんちくしょう。
私にはこの人を跳ね除ける勇気が無いです。

途端にぱあっと笑顔になって元気に家を物色するクラピカにやっぱりやめておけば良かったと後悔した。
もう、誰か、助けてください。へるぷみー。


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