▼ ▲ ▼

迎えた最終回、御幸がついに出塁しノーアウトランナー二塁。続く降谷くんの犠牲フライで御幸が三塁へ。

しかし、成宮くんの渾身の守備で得点ならず、最終回は追加点をあげることなく交代。

あと、アウト3つで、甲子園。
たったの、アウト3つで。

小湊くんのファイプレーにより、1アウト。

あと、2つ。

しかしここで打順は1番へ。厄介なバッターが続く。
神谷くんが放ったボールは、レフトへ飛んだものの坂井先輩が気迫でとり、ツーアウト。

あと、アウト1つ。

「デッ…デッドボール!!」

栄純がデッドボールを出してしまい、代わりに神谷くんが代走。そしてピッチャーはノリへ。

しかしバッターはしっかり見極めフォアボールで出塁。2アウトながらもランナー一・二塁。

ここでタイムをとった選手たち。なにやら内野が集まっているけど…

「見てなまえ、みんなで丹波さんの頭触ってる」
『…あ、ほんとだ」

こんなときまで…。いやでも、丹波さんの頭が役に立った。あ、増子さんも触らせてるし。

「あれなら、大丈夫そうね」

そう、あとアウト1つなんだ。大丈夫。彼らなら、やってくれる。

しかし、迎えるのは稲実の主砲4番原田さん。渾身の一球を放ち、一・二塁へ。

春市くんがなんとか止めたものの、その送球は乱れ、倉持も必死でくらいついたもののセーフ。

「バッ…」
「バックホーム!!!」
「カルロス!!!」

その間に、ホームめがけて走り出した神谷くんに対し、

「御幸ーー!!!!」

倉持が、その御幸の名を叫びながら、ホームへ送球。

「ホームイン!!同点ー!!!」

それも届かず、ついに同点へ。
そして続く成宮くんが放ったタイムリーにより、

「西東京118校の頂点に立ったのは稲城実業高校ー!!!」
「あとアウト1つ届きませんでした!」

西東京大会決勝
青道-稲実 4-5X

優勝
稲城実業高等学校

名門復活を懸けた夏
青道高校 予選敗退。

アウト1つ、届かなかった夢。
夏蝶の翅が透かす光

chapter01-end

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -