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あれ。ここは。なんか見覚えあるぞ。

1ヶ月くらい前、わたしは緑間と同じような空間に閉じ込められた。
そこはキスをすれば出られるというので、どちらも同意のうえキスをして無事出られた。(まあ一回でよかったんだけど何回もしちゃったのは流れだよ流れ)

そのことについてはなんだか気まずくて、しかも夢だったらって思うと緑間本人にはなかなか言えず、何事もなかったかのように過ごしていた。
緑間もなにも言ってこなかったし。

昨日の夜も、この前と同じように自室でパジャマで寝たはずなのに、今回も同じように制服を着てここにいる。

「あ?どこだここ?」

違うのは、一緒にいるのが緑間ではなく、桐皇学園の制服を着たガングロ野郎ということだけだ。

『…あおみね』
「なんだなまえか?ここどこだよ。つーか夢か?」
『夢かはわたしも分からないけど、ここ一回来たことある』

わたしは青峰に緑間とキスをしたということ以外を話した。ある条件をクリアすると出られるということを。

「ふーん。で、この前は緑間だったのか」
『そ。条件がなんだったかは覚えてない』
「とりあえず条件がなんだか探すしかねえな」

この前みたいにキスとかだったらどうしよ。青峰ってなんかかわいい子じゃなきゃ嫌そうだし(確実にさつきの影響。あんな子近くにいたらわたしレベルなんて目に入らないよ!)なんかこっちが申し訳ない。

てか青峰と二人で話すのも久しぶりなんだよなあ。
中二で青峰がグレてから部活は試合しか来ないしクラス違うし。今じゃ学校も違う。
グレる前は結構仲良かったはずなんだけどなあ。 まあ今は落ち着いて練習も出てるってさつきに聞いてはいるから大丈夫かな。

「お?これか?」

わたしが考え事をしながら適当に探していた間に、青峰が見つけたらしい。
わたしが先に見つけたかったのになあ。この前みたいなのだったらどうしよう。

『えっ待ってまだ見ないで』
「あ?無理だわもう見た」

マジか。でも青峰の反応を見る限り動揺してる感じはないから変なお題ではないんだろう。

『…みせて』
「ほらよ」

青峰のそばに寄って紙を受け取る。
どうかどうかこの前みたいなのではありませんように!だってわたしこの前がファーストキスだったんです!

『えーっと……10分間…イチャイチャ…する…』

イチャイチャ?10分間?イチャイチャ? …だれと?

『んん?ん?』
「んな何回も見たって変わるわけねえだろ」
『えっだってイチャイチャって…なに?』
「何って…こんなんじゃねえの?」

そういうと青峰はわたしの腕を引っ張って自分の方に引き寄せる。
女子の平均身長くらいしかないわたしはあっという間に青峰の腕の中だ。

『いやいやちょっと待って。え?どういうこと?』
「だから10分間こうやってくっついてればいいんじゃねえの?」

イチャイチャの定義がよくわかんないしまずわたしと青峰でそういう感じになるのがちょっと想像できない。
でも抱きしめられて改めて思う。
こいつ背でかいな。筋肉もついててなんか胸のあたり硬いし。

『ごめん…』
「は?」
『いや、さつきじゃなくて』
「意味わかんねえ」
『さつきみたいにかわいい子じゃなくてごめんねってことだよ』

自分で言ってて悲しくなるなあ。
って考えてたら頭に青峰の頭が乗る。重い。しかもさらに締め付けてくる。

「べつに。お前もかわいいほうじゃねえの?」
『…お世辞はいいよ。それにそのセリフ全然キャラと違いすぎてこわいよ』
「てめぇ…」

そのセリフを聞いた直後、自分の身体に感じる浮遊感。
そして気づいたら、わたしの身体はベッドの上にあった。
青峰はわたしの上に馬乗りになっている。 あれ、この体勢おかしくないか?

『ちょ、なにいきなり』
「いやずっとああやってんのもどうかと思ってよ」
『え、どういう意味』
「もっとイチャイチャしようぜ」

ニヤリ。
そう笑った青峰の顔が、バスケの試合くらいのいい笑顔でだったものだから、体が一瞬固まってしまった。

「つーか緑間とは何したんだよ。どうせ覚えてんだろ?」
『…覚えてない』
「…へぇ。言わねえなら…」

『…な、に……きゃーーーーやめて!!くすぐったい!!!』

あろうことか青峰はわたしのセーラーの隙間に手を入れて脇腹をくすぐってきた。
そこ弱いんだって!てかセクハラ!

『セクハラ!最低!』
「うるえせよ緑間と何したか言ったらやめてやる」
『おどし…!』

さすがにくすぐりはやめてほしいので諦めたわたしは緑間とのことを話した。

「へーえ。キスねえ」

まだか10分。長いよ10分。イチャイチャってなんですか。

「なあ、イチャイチャにキスって入ると思うか?」
『は?…まあ入ると思うけど』
「ならするか」
『それはおかしい』

そう言いながらもどんどん青峰の顔は近づいてくる。

『ちょ、したくないでしょわたしとなんか』
「…は?ンなわけねえだろ馬鹿か」
『馬鹿って…』

青峰に言われたくないし。
俺はお前にしかしたくねえわ。

青峰っていろいろ雑なのに、なんでこんなところはやさしいんだろう。

ガチャ

扉の開く音がした。
青峰は離してくれそうにないし、まだ当分の間出れそうにないや。

『…っ、んむ…』
「…っは、なまえ、」

前言撤回。
コイツのキスとんでもなく激しいです。

〇〇しないと出れない部屋
love love-Daiki Aomine
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