2019.04.04
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「アンタの旦那浮気してるよ」
『…なんか前にも似たようなセリフ聞いたような…。一応聞くけど誰?』
「御幸くん」
『んん?御幸?』
この前は倉持って言ってなかったっけ?いや倉持も旦那ではないんだけど。あと御幸ももちろん違うから浮気とかわたしには関係ないぞ。
ちなみに今は昼休みで、ずいぶん暖かくなってきたので中庭で食べているところだ。
「ホラ、あれ一年でかわいいって言われてる子じゃない?」
『あー…ほんとだ』
その中庭から少し離れた場所で、御幸が一年のかわいいと言われている子と二人でいる。あの雰囲気からして、告白なんだろうけど。
「やっぱモテるね」
『そうだね〜』
黙って見たらかっこいい、それは分かる。でもいかんせん性格がなあ。
「どうするんだろうね御幸くん」
『彼女つくんないからね〜どうだろ』
御幸が告白されたという噂は一年の時から何度か聞いていたけど、彼女ができたということは一度も聞いたことがない。
「あ、あれは絶対断ってるな」
友人が言うように、御幸が眉を下げながら謝っているように見える。そして女の子が去っていき、御幸もその場を離れようとした時、御幸と目があった。わりと距離あるのによく気づいたな。
「見てた?」
『見えるとこで話してんのが悪い』
「怒ってんの?」
『なんでわたしが怒んなきゃいけないの』
「怒ってくれてもいいのに〜」
『意味わかんない』
「ま、付き合わないから安心しろって」
そう言って頭をポンポンされた。なんでわたしを安心させるようにするんだ。
そして満足したのか御幸はその場から去っていった。
「わーお、やっぱ旦那じゃん」