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2019.05.28
▼拍手お礼文
▼ダイヤ原作沿い/決勝後の病院からの帰り道/御幸倉持

病院の帰り道、車内はとても静かだった。「こいつの隣は狭い」という二人の主張によりわたしが真ん中に座ることになり、現在わたしの両肩は見事に枕扱いされている。

カーブのたびに少しだけ離れる頭も、気付けばすぐにそれはわたしの肩に戻ってくる。

重い。重いけど、ようやく緊張感から解放された二人が、少しでも休めるなら。

「…大変ね」
『…いいえ』

ようやく学校の近くまで来たところで二人を起こし、タクシーを降りた。倉持が御幸を支えながら、寮の方へと向かっていく二人についていく。

ここまできて、あることに気づいた。

わたしはまだ、彼らに伝えていなかった。

『御幸、倉持』
「ん?」
「あ?」

『おめでとう』

「…おー」
「…あークソ、倉持ちょっと離して」
「テメェ何する気だ」
「分かってんだろ離せ」
「ふざけんな」

仲がいいのか悪いのか、微妙なところではあるけれど。ゾノももちろんそうなんだけど、この二人が引っ張っていくこの部は、きっとこれからも強くなる。

そんな気がした。

「倉持離せって!」
「るせぇ!黙って歩け!」
『…何揉めてんの?』
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