「それでは、解散ナノーネ!」

終わった…。開会式が終わり、参加者達がそれぞれ自由に散らばっていく。ヨハンと十代ペアも式典(と言っても殆ど形だけだが)の退屈な空間から解放されはしゃいでいる。

僕はといえば…。まぁ、はっきり言ってあまりいい気分では無い。なんというか、そう…がっかりというか残念というか、そんなところだ。何故かというと、原因は隣を歩く女にある。

『エドくんエドくん、エドくんてさ、はるみっていうおばさん親戚に居ない?』

誰だよ。

「何度も呼ばなくていいし、そんな親戚も居ない」

『そっかぁ。じゃあ、エドくん彼女居るの?』

「はあ!?…いきなり何を言い出すかと思えば…。」
ほんとに何を言ってるんだこいつ…。

『で、いるの?いないの?』

「…別に、居ないよ。あいにく僕は忙しくてね。恋愛に現を抜かしてる暇はないんだ。鮫島校長に頼まれなければ君なんかに付き合ってる時間も無い…」

『あ!見て見て!あれBMGじゃない!?』

「って、聞けよ!!」

『うわぁ、可愛いなあ。コスプレかなぁ?』
「…………。」

『あ、ごめんごめん。なんだっけ?』

「…いや、いい。」

『そう?』

「それより、明日からどうする?言っておくが、僕は毎朝待ってやることはしないぞ」
女の朝は長いだろうからな…。待たされて時間を無駄にするのは嫌だ。

『待ってやらないって…もう!エドくんてば大胆!』

「は…?」何言ってるんだ…?ちょっと、いや、かなり解らないんだが…。

『待たないって、迎えにくるってことでしょ?』

「…え、えええ…。」何でだ!何でそうなるんだ!どういう脳みそしてるんだ!

『じゃ、決まり!あ、女子寮の中には多分エドくんでも入れないから、寮の前に来たら通信端末で連絡してね』

なんていうかもう……張っ倒したい!!


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