お疲れの時は癒しを




『腰が痛い』



「は……」




男主が言った言葉に読んでいた本を落とした




腰が痛い…?



はっ まさか誰かに無理矢理…!?
いやいや、落ち着け僕
あの無意識に攻めオーラを垂れ流しているような男主を襲えるやつなどそういない
ましてやこのボンゴレになど……




一人、思い当たる節がある




雲雀恭弥がいるじゃないか!
しかも昨日珍しく、珍しくここ、ボンゴレ本部に来ていた
まさかその時に…



『おい骸、骸ー…?』



「っ男主!」



『のわっ、ど…どうした…』



いつの間にやら目の前に来ていた男主の肩を勢いよく掴む
男主の驚いた声は今の骸には聞こえない



「雲雀恭弥になにもされてませんか!?男主の貞操は無事で!!?」



『ちょ、骸落ち着け…!腰痛が悪化するし、雲雀にも誰にもなにもされてないから』



ガクガクと肩を揺すれば抗議の声が上がり、その内容を徐々に噛み締め理解していく



「本当になにも…?」



『本当になにも』



男主は、僕の混乱している頭でも分かりやすいようになのか同じ言葉を繰り返しながら頷く




「よかった…」



無事が確認でき、安心すると全身の力が抜けていく
すかさず腰を抱き寄せ支えてくれる男主の腕の温かさに落ち着きも戻ってきた



『最近書類に追われてたせいだと思う。一日座りっぱなしという日が多かったからな。』



お前の思っているようなことは何もないから安心しろ
そう言いながら僕の頭を撫でる


ぶっ飛んだ考えで焦りすぎたことが段々と恥ずかしくなり俯くと、クスクスと笑う声が斜め上から聞こえてくる



照れているのはバレているだろうが、せめて顔を見られないように男主の肩口に顔を埋めると、抱き締める腕の力が少し強くなった




『照れてる可愛い骸に頼みがあるんだ。』



「…………なんですか。」



まだ笑いの含まれた声に顔をあげるも、ちょっとした反抗のつもりで拗ねた表情を浮かべ間をおいてから聞き返す




『マッサージ、して欲しいんだけど…』



ダメか?



首を傾げた男主は、眉をハの字に下げいつもの格好良さは鳴りを潜め、思わず可愛いと感じてしまう顔をしていた







続きます

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