月のきれいな夜に
明るい月の光がリヴァイの自室の窓から差し込んでいる。幻想的な空間のように思えるここは、月明かりと間接照明の光しか届いていない、寝台の上。
ちょうど逆光になっていてリヴァイの表情はよく見えないが、どうせここに深くシワを寄せているに違いない。
ナマエは、上がった息もだいぶ落ち着いて、ふ、と気を緩めて彼の眉間にゆびを這わせる。すると、案の定そこにはシワが寄せられていた。
「なにを考えてる。」
わざと余裕を含ませた声音に思わず、ふふ、と笑ってしまうと、彼は途端に不機嫌になる。
「今にその余裕、無くしてやる。」
ナマエの上に覆い被さってキスをして、先ほど果てたばかりの玉門にぺニスを擦り付け、また挿入を再開した。
身体が揺すぶられているせいでくちびるどうしが何度も何度もずれて、鼻と鼻もこすれあう、めちゃくちゃなキスを交わす。
ことの発端はおとといの壁外遠征だと思う。
ナマエは一瞬巨人の口のなかに落ちてしまったのだ。
食われる直前…大きな汚い指が彼女の制服をつまみあげ、巨人の大きな口の真上まできたときに彼女はアンカーを近くの建物に突き刺した。巨人が指を離したと同時に立体起動装置を作動させるつもりだった、うまくいくかは、別として。
しかしそこに、リヴァイ兵長が目にも留まらぬ速さで駆けつけて、ナマエを食らおうとしている巨人のうなじを削いでくれたのだ。
そのときに口を開いたままの巨人の中に落ちてしまった。幸いにもアンカーを建物に刺していたお陰で、全身を巨人の唾液(と呼ぶのかはわからないが)まみれにせずには済んだのだけれど。
壁外調査のその夜はみんな疲弊しているから早くに自室に引き下がる。しかし、今夜はリヴァイから直々に呼び出しを食らった。
呼び出したくせになにも言わずに、リヴァイは乱暴にナマエの服を剥ぎ取ってゆく。こわくなって口をひらけば返ってきたのは嘲笑だった。
「なに、するのよ。」
「この状況でそれを訊くか?」
ギラ、と鋭く光る眼光に怯むが、身体は裏腹にどんどん熱を帯びていった。ナマエの身体をよく知った指が快感を引き出して、彼女の身体は彼を受け入れる準備をはじめる。
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一度果てた身体にニ度目の波が押し寄せる。
一度目に吐き出されたリヴァイの精液がナマエの愛液と混じって接合部はテラテラと光っている。相変わらずぬちゅぬちゅと卑猥な音が響き、リヴァイはそこを凝視した。
赤黒い自分の性器が、ナマエの割れ目に出入りする様をじっと見つめていると、ぞくぞくと興奮が背筋を這い上がる。
ナマエの存在をもっと確かに感じたくて、必死で彼女の身体中にキスを落とすと、ふ、と笑われて。無性に、愛しいやら腹立たしいやら妙な感覚を得る。
きっと、むすっ、としているのも彼女にはお見通しなのだろう。そして、リヴァイが今なにを感じたくてこんなふうに彼女を抱くのかもきっと、悟っている。
だから、ナマエはその両腕でリヴァイの頭をそっと抱き締めた。
リヴァイが加速させれば、ナマエの表情もだんだん余裕のないものへと変わってゆく。中途半端に開いた口から漏れる彼女の熱い息が耳を掠め、断片的に漏れる嬌声にリヴァイも煽られる。
きゅうう、と狭くなる中に、限界だとばかりに腰を振って、ふたりの絶頂はもう目の前に。
「あっ…あ、あああっ、イッちゃ…、――っ!」
「――っ、!」
ナマエに抱き締められたままリヴァイは月明かりに照される彼女の顔を間近に見て、ふたたび精を放った。
20140417
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