私には王子様がいます。

その人はいつも寝てばっかりだけど、

私がピンチのときはいつでも駆け付けて来てくれる。

私はそんな王子様が大好きです!















「あひるちゃん、どうしたの?」

来た。

私が泣いているとジローは必ず来る。場所だっていつも変えているのに絶対に見つかるの。

「なん、でもな、い」
私が俯くと、芥川はしゃがんで私と高さを同じにしてから頭を撫でるんだ。これも小さいころからずっと。そして、必ず私を安心させる笑顔でいるの。

「そっかぁ…。でも雨ん中いたら風邪引いちゃうから俺ん家行こうね」

公園の木の下に座っていた私の手を引いて立たせ歩きだす。手は繋がれたままだ。



私とジローは幼なじみ。小さいころから泣き虫だった私を慰めるのはいつもジローだった。そして助けてくれるのもジローだった。

いつからだろう?私がジローのことを好きだと思いはじめたのは。私は小さい頃いつも虐めっ子に虐められて泣いていた。でもその度にジローが助けてくれた。いつの間にか私の前に立って守ってくれるジローのことを、ただの幼なじみとは思えなくなっていた。


「上がって〜。今タオル持ってくるC」

私を自分の部屋に入れタオルを取りに行くジロー。久しぶりのジローの部屋は昔とあんまり変わってなくてそれが少し嬉しかった。

「お待たせ〜。はい」
私にタオルを渡すが私が動かないと分かると、私を拭きはじめる。

自分だってびちょびちょの癖に。



私を大体拭くと自分を拭きはじめた。私はただそれをぼーっと見る


「おいで」

自分のことを拭き終わったジローがいつものように笑顔で両手を広げて。私そこに飛び込む。


「よしよし」

私を抱きしめてくれながら頭を撫でてくれる。それが心地好くて。

「じ、ろう」

涙が止まらなくなってくる。「うん」なんて言いながら絶対に無理には聞き出そうとしない。私が言うのを待ってるんだ


「わたし、アメリ、カに引っ越、し、しなきゃ、な、んだって」
どうしても嫌だった。ジローと離れたくなかった。恋人でも何でもないから、離れたらこの関係は終わってしまう

「帰、って、これるかわか、んな、いんだっ、て!」

嫌だ。嫌だよ。離れたくないの。でも私一人こっちに居るのはだめなんだって


「…そっかぁ。」

ジローは嫌じゃない?私が居なくても平気?

「じゃぁ、大人にならないと会えなくなっちゃうんだね」

私を抱きしめる腕の力が強くなる。

「あひるちゃん」

名前を呼ばれ顔を上げるとジローと目があって


「俺と付き合って欲しいC」

笑顔だけど、目が真剣だ。冗談で言ってないことが分かる。

「…でも、引っ越しちゃうんだよ!会えないんだよ!!」

「俺はずっと好きでいれるC!今までも、これからも」

今までも?ジローも私のこと前から好きだったの?

「ね、あひるちゃん。付き合お?」

そんなの断れないよ

「…ジ、ロー、大、好き!」

泣き顔だから不細工だけど、ジローは笑って私の涙を指で拭ってくれる。

「少し我慢すればいいだけだC。大人になったら会えるんだから」

「そして、大人になってまた会ったらその時は、結婚しようね」

ジローとのこの約束があれば私はアメリカでも頑張るよ。

ジローが居なくても平気。

だって、嫌なことの次は幸せなことが訪れるんだもん















私には王子様がいます。

いつも寝てばっかりだけど


私に何かあったら絶対に助けてくれるヒーロー。


そんな王子様を私は好きになってしまいました。



(あひるちゃん/ジロー)(大好きだよ)









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あひるさまリンクありがとうございました!


ジロくんは初めて書いたので、すごく難しかったです(笑)


 




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