ショート | ナノ
おいおい、
キミは一体いつからそんなにモテるよーになったわけ?
誕生日の次の日、
学校でなにやら騒がれている
眠り王子。
あのテニス部の中ではモテない方だ、と甘く考えていたのが間違い。
『あのテニス部』なんだから
普通と比べたらかなり、いや、マヂマヂすっげーモテるんだよ!
たくさんの女の子に囲まれて
姿が見えなくなってるよ。
…ばか
――…‥
突然のメール
『今日俺誕生日なんだけど!』
『そうなの?おめでとう』
知ってたけど…
『明日プレゼント楽しみにしてるC〜!
名前の手作りのお菓子とか!』
『お腹壊してもしらないよ』
――…‥
少しだけ…
ほんとは嬉しかったんだ
人の気も知らないで…
いつもへらへら笑って
優しくして
お調子者で
ばかでばかでばかで
「名前!やっと見つけた!」
「…」
「どうしたの?なんで怒ってるの?」
気付いてくれないジロー
が
「…でしょ」
「え?」
「…っみんなから貰ったので充分でしょっ…!」
大好きなんだっつーのっ…!
「…なーんだ、俺心配しちゃったじゃん」
「っ!!?////」
ギュッ
「見てのとーり、全部お断りしました〜」
「なっ、なんで!?///」
「だって、名前がくれるんでしょ?」
ね、って言って
顔を覗き込むジロー
「っ…毒入りだから」
「へぇ、どんな?」
馬鹿王子なんか
…これでもくらえ
「私のこと好きになる」
「それならもうなってるから安心だC〜」
あんたなんか
…この私で充分よ
だから絶対よそ見しないで
見上げた優しい色の瞳いっぱいに
私だけが映っていた
END@
もどる