サエ君といっしょ




【お名前】

南「サエってさ、女みたいな名前じゃね?」
サエ「みなみ、ってのも大概じゃない?」
南「いや、おれの名前「みなみ」じゃねーから」
サエ「えっ?」
西「えっ?」
北「そうだっけ?」
中「あれ?」

南「……お前ら」
東「ミズキ、も変わらないじゃん」
南「あじゅま!」

北「あいら、もだよね」
西「たっきー、ちょっと黙ってて」

 冴恵と瑞樹。
 仲間に入りたくない吾平さん




【真中家に到着後】

四方「おじゃましま〜す」
中「ただいま」
冴「ただ〜いま〜」
西「……」

 真中の家に「ただいま」って言える状態が許せない西

冴「なに?」
西「別に」顔プイ

中「母さ〜ん、今日みんなどこで寝ればいい?」

皆を居間に押し込んで台所に向かう真中。
遠くから聞こえる真中(母)の声

 「お兄ちゃんの部屋とあんたの部屋じゃだめなの?」
 「それじゃ一緒に来た意味ないじゃん」
 「なにそれ?」
 「ちゃんと片付けるから和室使っていい?」
 「それはおじいちゃんに聞きなさいよ」
 「やった! ありがと!!」

真中(爺)は孫に優しい。
先の出来事があったため、とても寛大である。

普段は習字教室が行われている和室を皆で片付けてお布団を並べます。
順番にお風呂を借りながら、宿題やったり勉強したり。
(制服と通学かばんは持ってきました)

今は真中がお風呂の番です

冴「そういえばさ、さっきコンビニでパンツ買ってきたんだよね」
北「あ! そうだ、俺らも買ってくれば良かったわ」
冴「と、言うと思って二人の分も買ってきたよ」
北「サンキュー、サエ君」

 サエが差し出した袋を漁るたっきー

西「……それって、お揃いとか言わないよね?」
冴「えっとね、柄が二種類しかなかったから色違いのやつが二つあるよ」
西「じゃあ、俺、その柄違いの方を」
北「え?」

 既にたっきーが選択済み

西「え、じゃないよ。俺に譲ってくれるよね?」
南「やめろよ、にっしー! 男なら潔く認めて履けよ!」
東「赤い水玉も似合うよ」
サエ「え〜、僕は仁科君とお揃いでも構わないのに」
西(それが嫌だから言ってんじゃん……!!!!)
サエ「せっかくミコトと選んだのに」

 西の心の叫びを分かって笑い転げる東南北

西「わかったよ! その代わり、俺は黒を取るからね」

 結局西はサエとお揃いのパンツを履くことに
 真中さんの名前を出されては敵いません

 西が妥協をした理由を覚ったサエ。
 西中の両片思いににやにやする

西「なに?」
冴「いや、さ! 僕はね、こういうのを求めていたんだよ! 王道もいいけれどそれをそれた、普通だからこそ良いこの状況!」
東「どうしちゃったの?」
北「あ〜……」
南(あ、こいつも結構末期だな)
 腐女子の姉を持つ身としては覚えがある症状
冴「僕は君たちを応援するからね!」
西「は? なんなの、いきなり?」

 このタイミングで変えてくる真中

中「あ、またなの? そいつ、たまにそういうとこあるから気にしないで。そのうち帰ってくるから」

 従弟に対してだいぶ雑な扱いです






【お兄ちゃん】

中「そういえばさ、何しにこっちまで来てんの?」

 いまさらですが、サエ君の訪問理由を分かっていなかった真中さん。
 サエ君の家と学校は、真中さんの家とは逆方向にあります。
 今更ながら「何でいるの?」と言い出す真中。

西「早く帰りなよ、親御さん心配してるでしょ」
冴「それが出来ないから来てるんでしょ!」
冴「おばさんには渡したけど、野菜のお裾分け」
中「……ふ〜ん」
南「そんな響かねえな」
東「真中にはやっぱり肉じゃないと」
冴「兄さんにも渡したかったんだけど、それは今度にするわ」
中「ヒロ兄に!?」

 急にテンションを上げる真中。
 誰それ、と首を傾げる四方(眉を顰める西)

東「ヒロ兄って誰?」
南「ヒロカズさんとは無関係ですか」
北「関係ないでしょ(笑)」
 ※ たっきーの下の名前はヒロカズです
西「真中って確かお兄さんいたよね?」
中「うん。でもヒロ兄はサエの兄貴だよ」

 真中の兄→スバル(27)
 冴恵の兄→ヒロエ(23)

中「すげーんだよ、料理美味くてさ」
 と、突然の身内自慢。
 どうやら懐いている模様。
西「じゃあ真中はその人の影響受けて料理始めたの?」
中「そういうわけでもないんだけど、一緒に料理するのは楽しいよ」

 西の真中に対する物言いの優しさにキュンキュンしてるサエ君

冴「僕よりもミコトの方が似てるって言われるんだよ」
南「でも真中と真中の兄ちゃんもそんなに似てねえよな」
冴「僕の方が似てるって言われるね」
東「兄弟なのに面白いね〜」
冴「僕には鬼みたいな人なんだけどね」







【皆を迎えに行く前】

中「東の家に泊まりに行って良い?」
母「なんで?」
中「仁科と滝田が家に帰れないから泊まるんだって」
母「なにそれ。貴方はお家にいるんだから。こんな日にわざわざ出歩く必要はないでしょ」
中「でも!」
母「だーめ。東くんのお家も迷惑でしょ! これも何回目だと思ってるの、ダメなもんはダメなの」

 容赦ないぶった切りに黙り込む真中さん
 何も言わずに自分の部屋に戻る。

 部屋に戻って暗い部屋の中、布団を被って不貞寝
 続々と届く友人たちからの着信にどんどん苦しくなる
 羨ましいのとやるせない気持ちと融通の利かない母に対する想いがぐっちゃぐちゃ

 ばれなきゃいいんだ、と思い切った発想に到り、コートを着込んで物音を立てないように裏口へ。

母「お坊ちゃん、どこに行くの?」
中「……」
母「明日から肉なしね。ハムも食べちゃうから」
中「ダメ!」
母「泊まりに行くのはダメって言ったけど、黙って行くのはもっと許さないわよ」
中「じゃあ、どうすればいいってのさ!」
母「どうもこうも家にいればいいでしょ」
中「〜〜〜〜っ」

 地団駄を踏みたい気分。

母「ああ、そうだ。サエ君がこっち向かってるらしいから迎えに行ってあげて」
中「……サエ? なんで?」
母「こっちに来たはいいけど帰れなくなったんですって。今日は泊めるから」
中「だって、出歩くのダメって言ったじゃん」
母「臨機応変ってやつよ」
中「……」(不満を露わにする真中)
母「別にお母さん、泊まるのはダメって言ってないじゃない」(拗ねる母)
中「え!?」
母「仁科君も滝田くんも困ってるんでしょ? まあ、今更言ってもねぇ」
中「それで皆がくるって言ったら来てもいい?」
母「構わないけど、サエ君大丈夫かしら」
中「ありがと、母さん! いってきます!」
母「ちゃんと玄関から行きなさいよ〜」

 真中母の西北への印象は良い

母「お布団、人数分あるかしら」

 なんだかんだで、母も末っ子には甘いのである。

 皆に連絡する数分前の出来事


 
end


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