迷子3
迷子3の次屋視点
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「おぅわあああああ!!!」
まさか人間に生まれて隕石になる日が来るとは夢にも思わなかった。
まあ生き延びられただけマシだよな。マシだよね。誰かマシだと言ってくれ。
「たたたた滝夜叉丸せんぱああい!!」
「そ、空から次屋先輩が降ってきますよおぉ!!」
「何イィ!!?」
着地点の方から聞こえた、悲鳴に近い会話。空から見下ろせば俺の捜索を続けていたらしい三人の姿が見えた。
「し、しろっ!金吾っ!全員で三之助を受け止めるぞ!!」
「「はいっ!」」
着地の瞬間、後輩二人が滝夜叉丸を盾にしたように見えたのはきっと気のせいじゃないと思う。
「次屋先輩、どこに居たんですか!?」
「何がどうして隕石になったんですか!?」
目が覚めたそばから後輩二人による質問攻撃。目が覚めたといっても意識が飛んだのはほんの数秒らしくて、思ったより身体の痛みも少なかった。どっちかっつーと俺に直撃された滝夜叉丸の方が重症らしく、奴はいまだ仰向けに伸びていた。
「テテテテテ…」
ゆっくり上半身を起こしてみる。あー良かった、まだ生きてるよ俺。今回ばっかりは死ぬかと思った。委員長ときたらアレ半分ぐらい本気だったんじゃねーの。
「えーっと…五年生コースの一人用蛸壺に二人して落っこちて嫉妬最大級の委員長に見付かってダブルアームスイングされて隕石になった」
「「・・・」」
「不憫そうな目で見るなよお前ら!」
ぱちり、奥で伸びていた滝夜叉丸が目を覚ます。俺と同じく身体を鳴らしながらムクリと起き上がった。
「まったくお前は…で、委員長達は?」
「起きてたんならもっと早く起きろよ」
「ありがとうございますの一言ぐらい言えんのかお前は!」
「ありがとうございます心配掛けてすんません」
「うわっ心無い」
「二人ともまだコースに居ますよ。帰り道で俺にまた迷われても困るから、委員長、先に俺を投げてよこしたんじゃないスかね」
へらり。全員揃って苦笑を見せる。なんだよ、俺今日はもう反省してるよ。誘導されなきゃべつにどこも行かねーよ。
「しかし困ったな。委員長が三之助をこっちに投げて寄越したってことは、委員長はこっちの居場所を把握してるんだろうが…。二人が来るまでここを動かない方がいいんだろうか…」
「だと思いますよ」
「けど、二人がいつ来るかも分からないのにここでじっとしてても仕方ないだろう。三之助の無事を伝えるついでにちょっと二人を迎えに行ってくる。五年生のコースって言ったよな?」
いやいやいやいや、ちょ、空気読めよこの戦輪馬鹿!!
「マズいマズいそれは実にマズいです!行かないで下さいよ!」
馬鹿の上衣の裾を慌てて引っ張った。
「マズい? なんで?」
「いや、だってもしも仲直りのナニとかしてたらちょっと気まずいじゃないスか!」
「ナニってなんです?先輩」
「仲直りってなんだ。あの二人ケンカでもしたのか?」
「や、べつにしてないスけど…」
「先輩、ナニってなんですか〜」
「あ!? 三之助お前なんか隠してるだろ!」
「べつに隠してないっすよ!」
「何ムキになってるんだ!白状しろ!」
「うるせーな高飛車丸!」
「逆ギレ!?」
「ナニってなんですかああ!」
ああああもうグダグダだあああ!!
早く来て下さいよ委員長!今度は俺を助けて下さいお願いします!!!
次屋のキャラが方向音痴ですねスミマセン…なんだか鉢屋と被っててどうしようorz
芳さんのみお持ち帰りぉkmです!
リクありがとうございました☆
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