儚き夢

地下通路の秘密

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地下通路の秘密



帝都ザーフィアス。
そこは彼女の育った場所であり、ユーリ達と出逢った場所。



「……騒々しいな」

「ニルギース家が何かやってるんでしょ」

「そんなに悪いことしてるの？」

「みなさん！」

「…………ヨーデル？」



下町の入り口に何故皇帝であるヨーデルがいるんだ？



「どうしたんだ」

「フレンがニルギース家に捕まりました」

「……本当か？」

「ええ」

「………………」



核心に近付いていたのか。
だが捕まったということは……くそ。



「どういうことだ」

「わからりません。
突然連絡が取れなくなったんです」

「だから捕まったと？」

「はい」

「……私の所為だ」

「アリア？」

「私が頼んだからいけなかったんだ!!」



そうだ……自分で奴らを追い込めばよかったんだ。私の手だけで……。



「ばか言ってんなよ」

「ユーリ」

「フレンが捕まったのはあいつの不手際だ。お前の所為じゃねぇよ」



ユーリの言葉が心に刺さる。



「…………」

「そんなことより、まずはフレンをどうするかではなくて？」

「そうだね。
ニルギース家ってどこにあるの？」

「貴族街」

「え!?」



カロルが驚き、アリアを見た。



「で、ニルギース家までどうやって行くつもり？」

「抜け道がある。城から外に出るあの道に。仕掛けを外さないと開かない扉があるの」



口元を上げてと笑うアリアに、カロルとリタは顔色を悪くした。

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