儚き夢
再会は突然1
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再会は突然



いつも通りオレは目を醒ました。だが、いつもと違った。


「ん……」


裸の女が同じベッドに居た事が。


「…………」

「んー」

「えっと……」


何だ? 何があった? 確か椅子に座っていたはずなのに……。


「ん……んー」


女は伸びをする。羞恥心というものがないのか。


「……おはよう……」

「いや、まず服着てくれ」

「えー? ……めんどい、つか服無い」

「……布団を使え」

「どーも」

「つーか何だよこの状況」

「ああごめん」


蜂蜜色と新橋色の瞳が青年を見る。


「昨日の夜、起きたら私が布団に入って君が椅子で寝てるからさ、運んじゃった」


笑顔で答える女。


「ありがとね。助けてくれて。ついでに久しぶりだね。ユーリ・ローウェル君?」

「何で名前……」

「アリアだよ、アリア・カルナータ」


「忘れた?」ユーリの顔を覗き込んだ。


「アリア……カルナータ……」


アリアは黙ったまま、ユーリを見る。


「!! もしかして……!!」


ユーリが何かを思い出した時、コンコンッと音が鳴った。


「ユーリ、起きてるかい?」


外からそんな声が聞こえる。


「開けるよ」

「ちょっ、待っ……!!」


言うより早く、扉が開いた。


「……」

「?」


扉を開けた金髪の青年は唖然と、アリアは何かわからない様子で金髪の青年を見て首を傾げ、ユーリは手を額に当て、やってしまった、という表情をしていた。


「ユーリ!!」


金髪の青年の声が、朝から響いた。澄み渡る空はとても蒼い。
bkm
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