はなしべふる


 恋がのたうつ音

 黙りこくっても春の雨

 愛という作業

 信じてくれなくてありがとう、おかげでいつも本当のことが言えます

 幸せを諦めることで愛を得ました

 止まった時計を直さないわけ

 ぼくが愛さなければならないものの外にいてくれよ

 不幸な方がずっと

 残せなかった傷を惜しむのはやめよう

 「君のおかげだよ」と言われると、近い未来に「君のせいだ」と

 世界の熱が36.5℃下がった

 殺したって愛すのやめてやんない

 僕の歩く道がなかっただけのこと

 呼吸する穴くらい開けておいてくれ

 あすなんてもう来なくたっていい、今日が24時を過ぎても続けばいい

 世界を好きでいるために必要なものは三つだけだ。忘却、わるい裸眼と、曇ったガラス。

 馬鹿と天才は紙一重とかいうけれど、普通の人にはそう見えるのかもしれないけれと、バカから言わせると、バカを積み上げたものが天才だ。

 死にたいというものではない。生まれてきたことを後悔しろ。

 恋へのかかり方は色々ある。良性と悪性がある。

 あなたのおいのちなんカラット

 精密なそしりでさえ睦言になりえました

 愛を水切りいたしましょう

 いっせーのーでーまた回顧ー!

 真実をメッキした嘘が剥がれおちる

 失ったあとにひらいた穴でできたプラネタリウムによく似た星座

 安らかに眠っていたかった熱を揺り起こす

 春がくれると梅雨がすべてのものを流してしまう

 罪のぶんだけ重くなる背負る翼

 なんでそんな虚を衝かれるような隙を見せるの、わたしにゆめを見せるの

 夜に帰らされるときにいつも鳴る

 ひとひらだけつかまえた春を、唇で逃がす

 差別に甘い色をのせてそれを食べよう

 だれかの悲しみを間借りして泣くおこがましさよ

 退えあなたを連れ去れない

 気づかれなければ嫌い続けてもらえると思った

 ぐちゃぐちゃに壊れたあとでも持っていたい

 泣くことも出来たんだとあとで知った

 病魔を飼い慣らす

 憎しみの手懐け方

 そうね好きだったわけね

 心臓の中は血みどろだ

 いいこには死んでもらおう

 その顔が二度とゆがみませんよう

 いつか答えをください

 恋の速度

 言葉では破れない

 永遠に喰らわれるということ

 ずっと好きでいるために忘れてしまおう

 銀河の沈没船

 断頭台から一目惚れ

 「うそだよ」というのがあなたの愛でした

 かつて恋情と呼ばわれたもの

 さよならより確かな愛があるだろうか

 痛くしないから心得ておいて

 もう泣いたり笑ったりせずにすむように、咽を縊ってしまいましょう

 あなたがほしがった季節が、当たりまえに転がっている

 一週間で終わる夢に浮かれるくらいいいではありませんか、潔く散ってしまうことだってじっさい承知のうえなのですよ




 青褪めたかおでがたがた震えながら、うわ言のように「すきです」「すきです」と繰り返す君の肩を黙って抱きよせる以外に、僕に何が出来たっていうのだろう?同じものをかえすことだってできやしないのに。


 傷つけられるのを心底楽しみにしていました。あなたのつける引き攣れた醜い傷跡を、いとおしくいとおしく思っていたのです。鈍く痛むたびに、化膿するたびに、あなたがどんなふうに僕をいたぶったかを思い出しては、あなたがいない時間にあなたを感じることができる。そのばかぎりの快楽などいらなかった。いとおしい人とからだが別々なのは本当に残念なことです。


 お父さんが一番好きなひとは、お母さんでも僕でもありません。あんまりにお父さんがそのひとのことが好きなので、お母さんもそのひとを好きになってしまいました。僕もそのひとが大好きです。



 記憶も音もなくて、でもそこで確かにあなたを愛しておりました、さりながら、誰にも気取られぬよう、昨日の朝、濡らしながらあなたのとだれかの紐を望まれたまま結いました、ぽたぽたと落ちる雫も赤を落とすことできずただただ赤を濃くするだけでした、




 熱を知れば、寒さを知るのだ だれだって孤独だという当たり前のことを 肉を受けて思い知る我々のことなど貴なたがたにきっと解かりやしないのだねえ







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