底冷えのする夜だな


さみしい人を愛したい
わたしの知らないところであなたは死ぬんだ。
死んでもいいならあなたに会いに行けるのに。
あなたは深海に新しいものをみっけて置いてかれた私は、毎日海の底であなたを見ている
この世界にわたしが帰る星などあるはずが無い
理不尽スペースメイカー
千切れたこの手で歩んでいきたい
処女幕の向こうから終末を見ていた
消耗する友情なんかいらないよ。
男女に友情が成立しないんだったら、それ以外に何が成立するんだ
理性で感情をコーティングしている塊だよ人間というものは
あなたがいなくてさみしい
こんな汚い世界で生きていてほしくなかった、それだけです
死ぬということを考えるとき、ひとは眠るということを思い浮かべます、眠るということは夢を見ているということです。死んで肉と思考を捨てて夢にたゆたっているのはどんなに気持ちがいいことでしょう。わたしは夢をめっぽう見ませんので、死ぬということは常人よりずっと悲しいことです。

愛されそこねた宝石
窓際はいつも青色
こんなふうに育った
解決のメソッド
丸くなるからどいていて
底冷えのする夜だな
あなたがセーラー服を脱いでもわたしは沈まない
知らないオマージュ
凍る肌色
そこにいないのはだれ
あなたのいない朝が来たらわたしはどうすればいいのだろう


愛する人を失ったら、死など怖くないものだ。
あなたの心に飼われたくない
泣きたいのではなく泣いてるだけ
もはや誰の手をとっているのか判らないのではなく、もう誰の手をとっても同じなだけ
この首だれの
隻翼だけで泳げるものか
あなたの中で幸せにそぎ落とされて美しくなっていくわたしを
古い時計みたいに扱わないで
夜盗蟲の未明
愛を紐解いたらきっと何も残らない
君が私の拳に握らせた温かく湿った小さな感情を、私はずっと大切に育てていたんだけど、
これ、これは、きみの悲しみだったんだね。

君が素敵だねなんて笑ったあの花畑は家畜の飼料になって、その肉が私の血肉になるなんて
当たり前のことに感傷的になって、君がきれいだと言ってくれた私はこんなにも命を貪って綺麗になっていくのだけれど、
みんな私を君が肯定するから、それが私の正しさになっていくのです。あなたは知らないだろうけど。

暴れる生き物に手綱をつけてもおとなしくならないし、私の心臓に手綱をつけることが出来たら、君は殺人者になるんだね。
(その紐を結び付けてよ、紐をきゅっと引いてよ、絶対によ)
(くくってなにもとおさないようにして、愛してよ)







7/1


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