11.



「彼女と居るノリ…か」


という事は彼女と居るといつもあんな事してるのかな…。付き合ってるんだもん、もしかしてそれ以上の事も…。

考えれば考えるほど悪い方向に向かう自分の思考を首を横に大きく振り、考えないようにした。


「今日は散々アル…」


一人は自分の事を"好き"だと言うが、私は好きでもなんでもない奴(寧ろ恐怖を植え付けられた)からのキス

…そしてもう一人は、私の事を"友達"としか思っていないけど、私が心から大好きな人からの…


「どっちも嬉しくないネ…」


沖田が教室から去っていった後神楽はまだ教室で一人残っていた。
瞼は赤く腫れ上がっていて、とても帰れる様な顔をしていなかったからだ。
夕焼けが差し込む教室は、気持ちの整理をするのにはもってこいな場所であった。


「うん…でも最期の思い出としては良かったのかもネ。きっぱりケジメついたヨ」


何かを決心したかの様に神楽は涙を拭い教室のベランダから、部活動が行われているグラウンドを眺めた。
そこにはオレンジに照らされていても分かる蜂蜜色の頭を見つけた。

(もう一瞬で見つけられるネ…)

その隣には部活を終わるのを待っていたのか沖田の彼女



――私、お前から卒業するヨ

報われない恋をするのはちょっと疲れちゃったネ。1回諦めようと思って、銀ちゃんと話してる時に決めたのヨ。でもお前と話す度に銀ちゃんに諦めるって言った事忘れようとしてた。

でも今回は…今回は銀ちゃんじゃなくて正直居るか解らない神様に誓うヨ。
銀ちゃんより神聖な生き物だから流石の神楽様も約束破らないと思うアル。


「サヨウナラ、私の初恋

  サヨウナラ、



沖田…」






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