07.
「総悟君?」
「…へっ!?何?」
「何?じゃないよ!さっきから話しかけてるのに総悟君上の空なんだもの!」
やばい、俺学校からの帰り道ずっと考え込んでたんかい…。学校に1人残してしまったチャイナの事。
先帰って大丈夫みたいな事言ってたけど、まだ結構な量残ってたよな…。
罰掃除は俺にも課せられていたんだしやっぱあいつ1人にやらせるわけにはいかねぇよな。
「……わりィ」
「もー今更謝ったって…」
「ここまで来たら1人で帰れるよな?俺銀八に罰掃除するよう言われてたんでィ。学校戻るから先帰ってて良いから!」
「え!?ちょっ、総悟君!?」
沖田はその場に彼女を残して走って元来た道を戻っていった。
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その頃教室では
「ふぅ〜、ようやく終わったアル!ピカピカになったネ!」
掃除を終わらせた神楽が壁に掛かっている時計に目をやると短針がすでに6時を少し超していた。
「あーーっ!!もう6時過ぎてるアル!渡鬼間に合わないネ…。後で沖田に録画したの見せて……って、また沖田の事考えちゃったヨ…。……もう家に付いたかナ…。」
彼女を家に送って自分の家戻るなら今ぐらいに着くかな、と考えていたら沖田の席の前に立っていた。
「……誰も見てないアルよね?」
神楽は沖田の机の椅子を引き、座りそのまま机に突っ伏した。
この机の匂いを嗅いで変なアイマスクをして沖田は眠ってるんだ…。
そう考えると神楽は嬉しくなった。
ヘヘ。なんだか沖田と同じ気持ちになったみたいアル…。
――これ以上の事は望まないので神様、彼の机で眠ることくらい許してください。
ウトウトと眠気が神楽を襲おうとした時自分の携帯が鳴った。
「…メール?そ…れも多串君から…珍しいアル…内容は、……ん、眠…い………スー…」
神楽は掃除を1人でこなしてしまった疲れからか、そのまま沖田の机で眠ってしまった。
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「ハァ、ハァ」
息を切らせて学校へ戻ってきた沖田はすっかり暗くなってしまった廊下を見て、もう帰ったかな、と思いながら教室を覗いたらピンク頭の少女が眠っているのを見つけた。
「ハァ、なんで、俺の机で眠ってるんでィ…。それも携帯開きっぱなしで……ん?土方さんからじゃねぇかィ。」
開きっぱなしの彼女の携帯を閉じてあげようと手に取ると受信名に【多串】の名前。
見ちゃいけないと分かっているが2人がどんなメールをしているのか気になってしまった沖田はメールを読んでしまった。
「……明日放課後、3Zの教室に残ってろ………用事がある………?なんでィ………用事って」
意味深な土方からのメールの内容を沖田は走ってきて酸素が足りない頭で必死に考えた。
「……………土方さんが……チャイナを……?」
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