05.


「銀ちゃんは、彼氏が居る人を好きになった事はあるアルか?」


グスッと鼻声で神楽が尋ねるとう〜んと銀八が首をひねり答えを出した。


「おー。あるぞ。すんごい格好いい彼氏がいたけどな。」

「そ、その時銀ちゃんどうしたアル!?」


落ち着くために銀八に貰ったいちご牛乳が神楽が勢いよく立ち上がったためコップから少量こぼれてしまった。銀八はあ〜あと言いながら近くにあったティッシュで拭きだした。で?で?と、神楽が答えを促した。


「あの時は俺も若かったからなぁ。俺も押せ押せのイケイケだったわけよ。」

「で?結局どうなったアル?押した結果は?イケイケの結果は?」

「ん、フラれた。」

「…え?」

「だってあっちは彼氏いたし、俺も駄目もとで告ったわけだし?玉砕覚悟だったし。今は良い思い出よ。後悔はしてないぞ?
でも、これは俺の場合。



……で、神楽はどうするの?」



逆に質問されて神楽は困惑が隠せないようだった。


「わ、私は…。わたし、は…。
諦めようと思ってるヨ…。正直もう辛いネ。毎日仲良くしてるってだけで嫌がらせされるし、あっ嫌がらせなんかで諦めるって言ってるんじゃないアルよ…?」


沖田と一緒にいるとつねに彼女の影が見え隠れするネ。最近彼女の事気にしすぎて普段どおりに接する事できないんだヨ。


そう言うと神楽は無理に笑って見せた。


「告白したら絶対友達なんかでいられないアル。だったら何もしないで友達で終わった方私はいい
……それに私が告ったら彼女が困るアル。」


俺は神楽の頭をクシャッと撫でた。


――自分より他人を優先してしまう彼女が幸せになれますようにと


また彼女は泣きそうになりながら笑った





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