04.



「銀ちゃーん、お腹減ったアルー。何か恵んでもらいに来たネ。」

「また来たのかよー。ここは、保育園じゃねぇんだぞー。教室帰れー。」


何か辛いことがあったり、寂しい時は銀ちゃんの所に行く。なんだかんだ言っても銀ちゃんは優しいんだもん。
なんかお兄ちゃんとかお父さんみたいアル!(お母さんは新八アル!)


「銀ちゃん、今日お弁当忘れて何も食べてないのヨ。何かくれ。」

「なんかくれったって、何も持ってな…あ"ーー!!!」

「無いとか嘘はいけないアル。現にこのジャムパンがあるじゃないカ。モグモグ」

「それは!俺のおやつ用の…。そこに置いといた俺が馬鹿だった…。」


ムフフ〜と満面の笑みの神楽を一瞥した銀八は、はぁと溜め息をつき採点中らしいテストの山に手をつけはじめた。


「銀ちゃん採点中アルか?…私邪魔?」

「ん〜?まぁな邪魔っちゃ邪魔だな。」

「……ごめんなさいアル…。」


あーあー、動物だったら耳垂れてんなこれ。まったく、意地悪したこっちが余計悪い事した気持ちになるだろ…。


「うーそ。冗談だよ。取りあえずお前の食っている俺のジャムパン。半分返してくれたらここに居ていいぞ。」

「本当アルか!?銀ちゃん大好きアル〜。さすがグレート・ティーチャー・ギンパチね!GTGアルよ!」

「そんじゃぁ、松嶋菜々子みたいな綺麗な人ゲットできるな〜。」


それは無理アル!!という悲しい神楽のツッコミはスルーして…。神楽がここを訪れる時は絶対何かあった時なんだよなぁ。まぁ、大体はあの隣の席のドS風紀委員絡みか…。モテる男は辛いねぇ…。


「で?今日はどうした?…沖田君?」

「!!!……違うよ。本当にお腹減っただけアル…。」

「んじゃ、その目から出てる鼻水なによ?」

「ち、違っ!これは…!」

「神楽。溜め込むな。」


それから神楽は我慢してた物すべてをはき出すように泣いてしまった。


(あぁー…。こりゃ確実に授業遅れるな)





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