03.


     ぐぅきゅるるる〜



やっぱお弁当貰っときゃ良かった、なんて後から後悔してきた。
今は5時間、休み時間に入るまであと18分。この調子だと間違い無く放課後までもたない。
大きな自分のお腹の音にびっくりして、5時間目特有の眠気も冴えてしまった。
隣の席の沖田にも聞こえてしまっていたらしく、教科書で顔を隠して笑いを堪えていた。


「笑いたいなら笑えばいいネ…。」

「ぶはっ!!あはははっ!!お、お前あれ程腹減ってねぇって言ってたのに、何だよ、そ、その音…くくくっ!!」

「うるさいネ!あの時は本当にお腹なんて減ってなかったね!今のはあれヨ…、うん、授業終了10分前のタイマーネ…。」

「ふ〜ん。もう終わるけどな。」


沖田がニヤニヤと笑いながら、そう言った途端に5時間目終了の鐘がなった。
やばい!この休み時間が大事なんだ!急いで、急いで、

「銀ちゃんとこ行かないと!!」

「はぁ?銀八?何で…」


沖田が尋ね終わる前に、一目散にに教室を出て、銀八がいつもいる国語資料室に向かう。

次の授業はどうせ銀ちゃんの授業だし、遅れたって誰にも迷惑かけないだろ。(寧ろ、授業開始が遅れてみんな感謝するかも)なんて、考えながら走ってたらあっという間に資料室に着いていた。資料室の入り口ドアの所には『在室』の札が貼られていて、それを確認すると私は勢いよく甘い臭いが漂ってくるドアを開けた。



*********


「おい、総悟。チャイナ知らねぇ?」

「あー…チャイナなら銀八の所にいきやしたぜィ。」

「銀八?銀八なら次の授業あるしすぐ戻るか…。」

「土方さん何か用なんでィ?」

「いや、別に…」


何なんでィ、変態土方と呟けば聞こえていたらしく「んだと、総悟ォォォ!!!!」と罵声が飛んできた。地獄耳土方。

最近チャイナはよく銀八の所に行くようになり、俺に対してはやけによそよそしくなった。前より喧嘩が減ったと言うべきなのだろうか。
なんか調子狂うんだよねィ。



チャイナと銀八が戻ってきたのはチャイムが鳴った、15分後だった。





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