Twi再掲その2/名前変換ありません



震える夜


 ふと肩に重みを感じた。
「…。クラピカ?」
 返事はない。
 手をニ、三度顔の前で振ったところでばかばかしくなってやめた。
 クラピカって寝るんだ。
 人前で寝るイメージがなかったから意外だった。普段は気難しい顔をしてずっと大人びて見える彼も、寝顔は幼さが残ってたりするんだろうか。下手に動くと起こしてしまいそうなので好奇心は諦める。
 いつか長い長い旅を終えたクラピカは、何を思いどこへ行くのだろう。視線の先に私はいるだろうか。
 連れて行って。
 そう言えば、きっと困ったような怒ったような顔をするだろう。優しいから最後には小言を言いながらも、手を差し伸べてくれるかもしれない。
 臆病な私はそんな勇気はないから、ブランケットに手を伸ばした。



(20201011 再掲)
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -