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『できちゃったんです』3
誰かが誰かに「できちゃったんだ……」と言ってみたその3
若クザン/若サリーノ/ロー/ドレーク
ちなみに肉体関係の有無は不明。
名無しオリキャラが出たりする場合もあります。
会話文なので小ネタで。
○○=主人公名







無責任な上司と若クザンとおつるさん
先輩と若サリーノさん
勘違い主とローとシャチとペンギンとベポ
幼馴染みとドレークさんと名無しクルー











































無責任な上司と若クザンさんとおつるさん



「…………」

「どうしたんですか、そんな深刻そうな顔をして」

「……なァクザン、一夜の過ちについてどう思う?」

「は……?」

「何であんなことをしてしまったのか……酒の力ってのァ怖いなァ……クザン、お前も気を付けろよ」

「……何しでかしたんですか」

「………………………その」

「はい」

「できちまったんだ」

「………………はい?」

「だから、できちまったんだよ」

「……………………」

「驚くよな。俺も驚いた」

「…………いや、何でそこで自分の腹を押さえてんですか」

「大事なんだから仕方ないだろ。お前に勘違いされても困るしな」

「勘違いって……そんなことより、相手はどこの……勘違い?」

「……」

「……え、まさか……『そっち』が?」

「……」

「おれの記憶じゃあ、○○さんは男だったと思うんですが……」

「…………偉大なる航路には不思議が満ちてるとは言ってもなァ……参った」

「な……それじゃ……」

「一人で育てるにしろ諦めるにしろ、覚悟を決めないとな」

「諦めるって……そんなこと言ってねェで、相手にちゃんと…………あ」

「……」

「……『一夜の』って、○○さん、まさか……」

「………………クザン、すまない、あの」

「分かりました」

「え?」

「おれが一緒に育てます」

「おい?」

「多分、おれの方が高給取りになると思うんで。○○さんも、その方が負担が少ないですよね」

「すごい自信だな……まあそうなるとは思うが、いやそうじゃなくて」

「○○さんの子供なら可愛がる自信があります。大丈夫です」

「クザン、だから」

「あと、そのクソ野郎の特徴を教えてください。ちゃんと落とし前をつけさせますから」

「いや、だからな?」







「つる、お前の出した罰ゲームのせいでクザンが話を聞いてくれなくなったぞ」

「おや、『あの子』は信じやしないと笑い飛ばしたのは誰だったかねェ?」

「信じると思うわけないじゃないか……どうするんだ……相手が分からないなら一緒に育てるってプロポーズまでしてきたぞ……」

「そりゃよかったじゃないか、何なら本当に結婚してやったらどうだい」

「どうしてそうなる。駄目だ。俺と結婚だなんて、クザンが可哀想じゃないか」

「将来性があるんだろう? 青田買いってやつさ」

「青田買いってお前な……とにかく、つるからも何とか言ってやってくれ」

「そうだねェ……相手がガープだったってことにすりゃあ諦めるんじゃないかい?」

「やめてくれ、冗談でもあいつが相手はいやだ」

「それじゃあ、センゴクはどうだい?」

「いやだ」

「ゼファーもいるよ」

「なんでその三択なんだ。いやだ。……なんで俺は酒の勢いに身を任せてポーカーなんかをしてしまったんだ……しかもつると……勝てるわけがないってのに……」

「…………『あの子』に対してと、随分態度が違うね」

「ん? 何か言ったか」

「いいや、何でもないさ。仕方ないね、こっちからも説明してやるよ。あとでしっかり謝ってあげな」

「いやもちろん謝るが、この冗談を考えた大元はお前じゃないか……理不尽だ……」




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先輩と若サリーノさん




「ボルサリーノ、子供が出来た。どうした方がいい?」

「…………急に何を言い出してんですかァ、○○先輩」

「男が何を言ってるんだと思っているだろう。俺もそう思う」

「分かってんなら、タチの悪い冗談はァ……」

「しかし、人間の性別を変えられる悪魔の実の能力者すらいるこの海に、常識が通用しないことはお前だってよく知っている筈だ」

「…………」

「先月、うちの部屋で一緒に酒飲んで朝まで寝こけたのを覚えてるか」

「……えェ、まァ」

「途中で記憶が無くなった。お前もだと言っていたな?」

「…………」

「……どうした方がいい?」

「…………」

「…………」

「…………………………」

「…………なんてな」

「!」

「冗談に決まっているだろう。そんな真剣な顔で悩むな」

「…………まァた、タチの悪い冗談をォ……」

「ボルサリーノ、資料室での能力の使用は原則として禁止だぞ。それから、あそこまで熟考されると俺が女で本当に妊娠していたら間違いなく傷付くから、海兵としてもう少し誠実に生きるように」

「…………いたいけな部下を酷い嘘で騙そうとするような人にィ、そんな叱られ方するのは癪ですねェ〜……大体、○○先輩ならどう答えるってんですかァ」

「俺か?」

「そうですよォ……○○先輩、わっし、先輩の子を孕んじまったみたいなんですけど、どうした方がいいですかねェ〜?」

「ボルサリーノ……」

「ン〜?」

「……ずっと家族が欲しかった。もしお前が嫌じゃないなら、お前ごと、俺の家族になってくれないだろうか」

「………………」

「……あ、毎朝俺に味噌汁を作ってくれ、の方が好みだったか?」

「…………どうでもいいですよォ、わっし味噌汁作れませんしィ……本当に、こりゃあタチの悪い冗談ですねェ〜」

「俺もそう思う。すまなかったな、この間同期で飲んだ時の罰ゲームだったんだ」

「罰ゲームゥ〜?」

「そう、『一番親しい部下に『できちゃった』と言ってみるように』ってな」

「……○○先輩、同期と飲むことなんてあるんですねェ〜」

「そう言えば、お前が来てからたまに誘われるようになったな。大体お前の話をしてるぞ」

「…………」

「何だか顔が怖いな、怒ってるのか? 今度頬にキスしていいから許してくれ」

「!? ……なんですかァ、その詫び方ァ……」

「ん? この間飲んだ時、つまみを切らしたら、『させてくれなきゃ許さない』とか言いながらくっついてきたじゃないか」

「な……」

「…………そうか、本当に記憶が無かったのか」

「…………させましたァ……?」

「俺とお前の体格差を考えてみると、拒み切れると思う方が無理だな」

「…………」

「……まあ、酒が入るとスキンシップが多くなる人間ってのは多いから、そう気に病むな。女性にはやらないよう気を付けるように」

「……………………」

「ボルサリーノ。さっきも言ったが、資料室での能力の使用は原則としてだな……」


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勘違い主とローとシャチとペンギンとベポ






「おい○○、妊娠した、責任を取れ」

「……誰がだ?」

「おれに決まってるだろうが、他に誰か孕ませる予定があるってのか? そんな浮気性な下半身は刻んでやろうか」

「冗談だ」

「!? せ、船長? ほ、ほほほ、本気で?」

「いや、冗談だろう、そうに決まってる。落ち着け、シャチ」

「いやいやいや、落ち着けるかよ、船長が妊娠したら出産するわけで、お、おれらで取り上げるのか? 大丈夫なのか? なァペンギン、どっか島寄った方がいいんじゃないか?」

「だから、落ち着け」

「キャプテン、雄でも妊娠するの?」

「……いいかベポ、おれ達がいるこの海は偉大なる航路、常識の通じないここでそんな疑問は些細なことだ。分かったか?」

「…………」

「ほほほほら! ほらやっぱり!」

「分かった分かった、分かったから落ち着け。深呼吸だ」

「ヒッヒッフー!」

「お前が産むつもりか。落ち着け」

「すごいねえ! キャプテンの子供、はやく見たいなー」

「……だ、そうだが。ちゃんと責任を取るな? ○○」

「…………責任か……どうすれば責任が取れるんだ?」

「こっちに聞くのかよ! そりゃあれだよお前、船長と結婚するとか」

「子供が生まれる時に手を握っているとか、育児に参加するとかもきくな」

「子供が生まれたら身動きとれないから、ご飯もってきたりお世話しないとだもんね」

「なるほど、分かった。なら、結婚しよう」

「『なら』? 妥協か、○○」

「……責任を取る。結婚してくれ」

「……仕方ねェな、それで我慢してやる」

「うおー! 今夜は宴だー!!」

「酒は無しだな。船長が出産終わるまで全員禁酒だ。それでいいですよね、船長?」

「ああ」

「結婚するんだ、おめでとーキャプテン、○○!」

「そうだ、結婚式もしようぜ! 準備だ準備! ベポ、今って浮上していいのか?」

「え? あ、ちょっと待って、確認してくるね!」

「おれも行くぜー! ペンギン、行くぞ!」

「おい、引っ張るなっ」

「………………」

「………………」

「…………それで、いつ?」

「察しのいい奴だな。次の島につくまでだ。ここのところ酒の消費が激しいとコックに泣きつかれたんでな。取り上げるより、自分達から言いださせた方が都合がいい」

「……タチの悪い冗談だ」

「なんなら『真実』にしてみるか? 『結婚式』の夜は燃えるらしいが」

「断る」

「ふん」


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幼馴染みとドレークさんと名無しクルー




「ドレーク、落ち着いて聞いてくれ」

「? どうした」

「子供が出来た」

「……な……」

「妊娠した」

「…………そうか」

「ああ……」

「…………順番が逆になってすまない、○○。おれと結婚してくれ」

「! いいのか……?」

「ああ。幸せにする。しばらく、何処か安定した気候の島へ停泊しよう。船医からの診察は受けたと思うが、やっぱり専門医にも診てもらいたい」

「ドレーク……ありがとう……!」

「元気な子供を産んでほしい」

「任せてくれ! ……あっ」

「どうした?」

「今、おなかを蹴った……」

「本当か?」

「触ってみるか? ほら」

「…………本当だ」

「お父さんが分かるのかもしれないな。ドレーク、お前みたいな可愛い名前を付けてやってくれ」

「……分かった。世界一の名前を考えよう」

「ドレーク……」

「○○……」








「……という流れから、生まれた子供がちょっと大きくなるまでの涙無くして語れないような話を夢で見たから気になったのであって、決して○○さんに下心があるとかそう言うわけじゃないんです、船長」

「だからといって、出会い頭に○○の腹をまさぐっていい話にはならない」

「ドレーク、俺はそんなに気にしてないから」

「お前はもっと気にするようにしてくれ」

「本当に、本当にごめんなさい○○さん、まさか○○さんが脇腹弱いとは知らなくて」

「いやまァ俺も変な声出しちゃったからな、ごめんな気持ち悪くて」

「いやそんなことは……」

「…………」

「……あの、その……ごめんなさい……」

「ドレーク、顔が怖いぞ。その顔も可愛いけど」

「…………○○、おれは今こいつを叱っているのであって、それを横から『可愛い』と言われるのは……」

「俺の目に映るドレークは全部可愛いから仕方ないなァ、そこはもうあきらめてくれ」

「……この間から思っているんだが、○○の美意識は少しおかしくはないか? 小さい頃はともかく、育ってからおれに『可愛い』と言う人間なんてお前しかいないと思うぞ」

「どうだろうなァ、好きな人が世界一輝いて見えるのはどんな人間にも共通だと思うんだが。お前はどうだ? ドレーク」

「○○……」



「…………足痺れたんでそろそろお暇したいです……って、聞いてないですね……知ってます……」



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