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マルコ夢/逆トリップ(少しだけ小話)
マルコと白ひげモブクルーが逆トリップしたら小話&ネタ





 目が覚めた時、目の前にあったのは狭い空だった。
 背の高い建物の群れに切り取られた青い空を見上げて、数回の瞬きをしたマルコはゆっくりと起き上がる。
 かぎなれない匂いのその場所は、どうやら建物の狭間にできている狭い路地らしい。
 自分がどうしてそこにいるのか分からず、マルコは眉間へ皺を寄せた。
 ここはどこだ。自分はどうしてここにいるのだ。
 昨日の記憶をさらってみるが、島へ上陸した覚えもなければ、深酒をした覚えもなかった。
 マルコは確か自室で休んだはずなのだ。
 それがどうして屋外にいるのかと考え込んだところで、じゃり、と何かを踏むような音がマルコの耳へ届く。
 それにはじかれたように視線を向ければ、路地の向こうからマルコのほうへと近付いてくる人影があった。
 それも、見慣れないこの場所には不釣合いなほどに、マルコのよく知る人物だ。

「あー、マルコ、起きたのか」

 マルコを見やってへらりと笑ったのは、マルコと同じ白ひげ海賊団に在籍している船員だった。
 もう、一緒にあの船で過ごして七年ほどにはなる。
 イゾウの率いる隊に配属された彼の腰にはよく銃が飾られているはずだが、今はそれも見当たらなかった。
 いつも通りの緊張感のない笑顔に、知らず強張っていた体から力を抜いて、マルコは立ち上がる。

「…………ここがどこだか知ってるかよい?」

 そうして尋ねると、おう、と簡単な頷きが返った。
 聞いたもののそんな返事がもらえるとは思っていなかったため、マルコは目を丸くする。
 マルコの表情の変化に、お前俺に期待してなかっただろう、と呆れた顔をしてから、彼はマルコへ手を伸ばした。
 硬い地面に転がっていたのだから当然だが、マルコの服は少し汚れていて、軽く叩くようにしてそれが払われる。
 されるがままにされながら、そういえば、とマルコは思った。足元の地面を固める石は黒くざらついていて、見たことの無いものだ。

「ここは×××××だ」

 マルコの体から汚れを払ってから、男が言う。

「×××××?」

 聞きなれない単語に、マルコは視線を男へ戻した。
 そうだよと頷いて、男の手がマルコの腕を捕まえる。
 それから軽くマルコの腕を引いて歩き出した男に、マルコは大人しく従った。

「どこへ行くんだよい」

「そりゃあれだ、もう少しゆっくりできる場所。大丈夫だ確認したから、まァ俺もこんなことになるとは思ってなかったけど。でも、あれから時間が経ってないってのはある意味ではありがたい話だよなー」

「質問の答えになってねェよい。どこへ行くんだ」

 ぺらぺら話す男の様子に眉を寄せながら、マルコは質問を繰り返した。
 男の様子が、少しおかしかった。
 いつだってへらへらしていて緊張感の無い顔をしているが、それだけでない浮かれた様子を感じる。
 それでいて、まるで何かに怯えているようだ。
 路地から出る少し手前で足を止めて、男がちらりとマルコを見やる。
 その顔に浮かんだままの笑みはどこか貼り付けたもののようで、マルコは僅かに息を飲んだ。

「……俺の家に行こうって言ってんだよ、マルコ」

 天涯孤独の身で、白ひげ海賊団へと入ってマルコの家族となって、ここ以外に帰る場所は無いんだとモビーディック号で笑っていたはずの男は、囁くように言った。

「ここは、俺のいた世界だ」

 マルコの腕を掴んでいる掌は、わずかに震えていた。





end


*********


というネタを考えたんだけど着地点が行方不明になった。
白ひげ海賊団員とマルコが一緒に逆トリップしたら実は同行者が異世界トリップしてた人だった、という感じ?
とりあえず主人公は一人暮らし。
異世界トリップしてから時間が経ってない。
主人公は仕事辞めてる。
携帯も解約してる。
モビーでの部屋は汚かったのに、主人公のお家はとても綺麗でした。
そして誰かにあてた手紙があったんだけどマルコが気付いて手に取る前に片付けられちゃった。
そのままそこで過ごしながら、マルコと主人公の二人で一緒に過ごしたり、帰る方法を探したり。

「お前はどうやっておれ達の世界へ来たんだよい」
「ああ、うん……まァ、今回と一緒かな! 突然突然!」
「怪しすぎるよい。おれに嘘を吐くたァいい度胸だ」
「やだマルコ隊長こわーい」

そうやってどうこうしてる間にマルコが主人公の隠したお手紙を読んじゃったりすれば……いいんじゃないかな!
日本語=海軍使用語ってことでマルコも少し読める的な設定とかでさ!
そしてそれは遺書だった。
実は自殺トリップだった主人公でありました。

逆トリップしてる間にマルコとくっついて、一緒に飛び降りして(駄目なら不死鳥よい!)で無事モビーディック号へ帰れるといいんじゃないかなー。
モビーでは一週間くらい経ってて行方不明なマルコと主人公がオヤジにめちゃくちゃ怒られたらいいのに。
どこへ行ってたんだよ!って感じのことをサッチに言われて、うるさいねい、とか言ってるマルコの横で主人公が「婚前旅行かな☆」みたいなことを言って「……え、お前らそういう……」という反応をされたら可愛いと思います。
そうだよそういう関係だよマルコは俺のだから夜露死苦!な主人公に、「何言ってんだよい、お前がおれのだろい」とかマルコに言われたらいいさ!
……あれ着地点も発見できた。
妄想って不思議だな!
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