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読書家で作家になったトリップ主人公とンマーな市長 ※派生短編作成済(両想い完結?済) 異世界トリップした主人公は、漫画童話小説あれこれ読みまくってたライトな読書家さん。ちょっと妄想空想も好きなタイプ。 自分がW7にいることを理解して、帰りたいけど帰り方も分からず、とにかくここで生きていかないといけない。 しかしどうやって生きていくべきか。 純日本人でただのサラリーマンで、すわり仕事と愛想笑いと「すみません」と手刀直進と空想妄想は得意だけどもそれでどうやってワンピースの世界で生きていけばいいんだよ! 若干路頭に迷って公園でリストラサラリーマン風に座り込んでたら、なんか小さい子供が寄ってきた。 お兄さん何してるのーとか聞かれて、愛想笑いしたら子供が持ってた本をずいっと差し出して、ご本読んで!攻撃を受けた。 ていうかワンピースの子供警戒心無さすぎだろう。日本だったら母親が飛んできて「駄目でしょう○○ちゃん!こっちいらっしゃい!」って言われると思います。 思いつつ、主人公はぱらりと本を開いた。 そして英字本に撃沈した。それなりに読めるけど、これを読んでくれって……無理だろ……! しかし子供は引き下がらない。 なので、主人公は英語を回避すべく、自分が知ってる童話の話をしてみた。 ワンピースの世界にはシンデレラも赤ずきんも三匹のこぶたも狼とヤギも無かったらしく、子供大喜び。 そのうち周囲に子供が集まってきて、説法してたら動物に囲まれたブッダみたいになった。 子供達の中の一人の親が出版社編集だったらしく、その日公園で寝て、せめて今日中に仕事は見つけないと……!と焦り始めた主人公のもとに大人がやってきた。 あれよあれよと言う間に主人公は作家になった。 英語が無理だったので日本語で書いて、それを主人公が読んで出版社が用意した人(ライター)が原稿にしてくれうというちょっと珍しい形態。 色々と著作権が気になったけれども、ワンピースの世界でそれを言っても仕方ないし、何より仕事と衣食住を手に入れた主人公は、自分の中の良心の呵責には目をつぶることにした。 童話だってそんなにたくさん知ってるわけじゃなし、読んでた漫画をノベライズ的な感じとかも出版したりする。 出来るだけアレンジはするけど、やっぱり盗作なんだろうかと思うから、入ってくるお金は最低限の生活維持以外は寄付に回したりとか。できたらそこで『うそつきノーランドのしんじつ』とかそういう本を出したりして欲しいなと思いますね! さて、悶々としている主人公を置いて、人気作家の名前が広まっていく。何せ稼いだお金の大半を寄付するような人だからね!いい人扱いだよね! でもその辺歩いてるときはただのお兄ちゃんなのであんまり気付かれない。恥ずかしがり屋の日本人主人公は顔出しNGでした。 そんでもって道端でお忙しい市長のアイスバーグと遭遇。 カリファが美人でした。 ただすれ違うだけのはずが、ちょっと海賊のごたごたに巻き込まれて、最終的に飛んできたカクが制圧して、大騒ぎに巻き込まれた主人公はアイスバーグさんとランチをご一緒することになった。 何で?となるけれども、奢るといわれたのでついていきます。おいしかったっす。 食べてる間は色々お話した。アイスバーグさんは頭のいい人な感じがした。あとンマーってマジで言った。 それから、ちょくちょく主人公はアイスバーグさんと遭遇することになる。 そして買い物やらお食事やらを一緒にこなす。 忙しい市長さんだって息抜きって必要なんだろうな! 何となくお友達な感じになって、たまに待ち合わせて飲みに行くようにもなって、誘われて初めてアイスバーグさんの家にいった。 そしたら、なんか本棚にどっさり主人公の作家名で出版された本があった。 「……アイスバーグもこういう本読むのか」 「ん? ンマー、案外面白いもんでな」 恥ずかしいようなびっくりしたようなそわそわした気持ちで呟いた主人公に、アイスバーグさんは笑っている。 それがあんまりにも楽しそうだったので、またしても主人公はもやもやした。 何故ならそこにある本の殆どは主人公が考えたものじゃなくて、主人公が覚えていたものなのである。 その日は宅飲みで、高そうで美味しい酒をじゃんじゃん飲まされて、酔いに任せて主人公はついに自分のもやもやを言ってしまいました。 アイスバーグさんは主人公が有名作家なのを知ってらっしゃった。そりゃ秘書がCP9じゃ「会いてェもんだ」とか言ったら調べてきてもらえますよね。 軽蔑するかと聞いてみたけど、そうやって悩む奴に悪いやつァいねェから軽蔑はしないとの回答。でも、自分でそうやって悩むなら、これからは自分で考えた話を出せばいいじゃないかとアイスバーグさん。主人公、目からうろこでした。そうか、そりゃそうだ。 そしてそれからは、ネタ出しに悩み締め切りに苦しみそれでも色々とお話を考えてちゃんと作家としてやっていく元サラリーマンの主人公と、話を聞いてあげてアドバイスもしてみたりするアイスバーグさんの友人づきあいが始まるのでありました。 張りぼての有名作家だと分かったのに接し方の変わらないアイスバーグさんかっこいい、とか主人公は思ってる。 そのうち冒険譚や童話ばかりじゃなくてたまには恋愛物もどうか、とか出版社に言われて、そうか恋愛物か……でまた悩んだりとか。 「ンマー、悩むんなら、まずは自分の恋愛経験を参考にしてみたらどうだ?」 「恋愛経験……」 言われてみたらろくな恋愛をしたことがなかった主人公。彼女がいたこともあったけど、高校卒業と同時に分かれたりとか、自然消滅とかばっかりだった。 そう言ったらなんだかアイスバーグが食いついた。どういう彼女だったのかとか、どのくらい付き合ってたのかとか、何でそんなことを聞くのか主人公にはよくわからない。 「俺の経験値じゃろくな参考にならないな。そうだ、アイスバーグはモテるだろ? 参考までに、ちょっと教えてくれよ」 「…………本当にモテるんなら片思いなんてしねェと思わねェか?」 「え」 どうやらアイスバーグさんは片思い中のようでした。 そしてどこの誰だか白状しない。何だ、誰だ……! しばらく悩んだ主人公は、は! と気がついた。 カリファか!!!! あれだけ美人だもの、仕方無い。 しかしワンピースの世界を知っている主人公は、カリファがCP9なことも知っています。 アイスバーグはそれを知らないけど、もしもカリファがアイスバーグの気持ちを知ってて、自分も同じ思いだけど潜入中ゆえに自分の気持ちを押し殺していたら……!とか妄想して(萌えて)大変なことになった。 人間、一生に一度はベストセラーを書けるという。 書いた小説は当たった。ドラマ化映画化もかなりした。名前も立場も色々変えたけど、カリファやルッチ辺りは誰がモデルか何となく把握して主人公を怪しんだりしているかもしれない。 アイスバーグは良かったなって笑ってた。 しかし実はアイスバーグさんの片思いの相手は主人公だったりする、という話。 稼いだお金で主人公はアイスバーグに防弾チョッキを購入してプレゼントすると思いますね。 『うそつきノーランドのしんじつ』を麦わら海賊団の女子辺りが読んで「…………これ……!」ってテンション上がって主人公に突撃してきたりしてもいいと思います。 あと、アクアラグナ後、一緒にメリーを直したりしたら仲良しでいいな。 カリファ達が政府の人間だと知ったアイスバーグさんが、主人公の書いた本を思い出して「……ンマー、知ってたのか?」とか聞いたりして、実は知ってましたというべきか主人公が悩んで、悩んでるから知ってたんだなと気付かれたりとかしたら少々修羅場かもしれない。 それでもアイスバーグさんは主人公が好きで、男同士ゆえに全くそれに気付かない鈍い主人公とそれからもW7で末永く幸せに暮らせばいいと思います。 カリファがいなくなった後は、主人公が作家辞めて秘書になってもいいね! 別に決して、『うそつきノーランドのしんじつ』ってタイトルの絵本を妄想してから妄想したわけじゃないよ! ……誰かノーランドの汚名を返上してくれないか……! そういえばノラ(蛇)くんはノーランドから取った名前だって知ってかなり衝撃を受けたぜ……。 戻る |