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2年後本編開始頃に異世界トリップしちゃった主人公はレイリー達に面倒見て貰っている。 ヒーローシリーズ派生済(両想い完結?済) 唐突に異世界トリップしちゃった主人公。 なんか見知らぬ船に乗ってて、海賊船で、しかも真上が海だった。 あれ、海中? え、何で? 沈んでるのに息できてるよ不思議って、ああなんかバルーンみたいなのが船を覆ってるな! 「なんてそんなワンピースな……ははっ」 現実逃避しようと思いつつ、何か人がざわざわしてたので物陰から見やったら人相の悪い人達が誰かを取り囲んでた。 てめぇ何処から入ってきやがった!とか怒号が聞こえる。腰に刀やらピストルやら装備してる雰囲気からしてどう見てもかたぎじゃない。見つかったらやばいかも、と思いつつ観察した。 なんかぐうぐう眠ってたらしい中央の人が起きて、周囲を見回して、くああーっと大きくあくびをしたのが見えた。 ていうかあれ、あの緑のマリモヘッド、ゾロじゃね? 「……間違えた」 と言うのが聞こえたかと思ったら戦闘が始まって、うわこわい!と主人公が樽に隠れてじっとしてたら船が真っ二つに切られた。 なんかこの展開知ってるー!と思いつつぶっ壊れた船と一緒に主人公その他浮上。 ゾロは迎えに来た誰かと一緒に行っちゃった。きっとサンジだなあれ、と思いつつ見送って、主人公も必死に陸に上がった。 シャボンディ諸島上陸。 とりあえずワンピースの世界であることは理解した。水は冷たかったし苦しかったし死ぬかと思ったけど生きてるから、これは現実だと思う。 で、これからどうするべきか。 戦桃丸が来てるだろうから海軍に保護をお願いするべきか。しかしワンピースにおける海軍ってかなり怖いからな。かといってこのままシャボンディ諸島にいて生きていけるともあまり思わない。せめてもう少し人攫いの少ないところへ行きたい。 そう思いつつ治安のいいところを探して歩いてた主人公は、結構遠くからだけどルフィ達の船出を見送った。 ちょっと感動しつつ、かっこいいなあ主人公とか思ってふと傍らを見たら、何かレイリーさんが座ってた。 いつからここにいたんだよ!?となる。 何か麦わらの知り合いかとか聞かれて、いや一方的にこっちが知ってるだけで知り合いではないですはい、とか回答。しいて言うなら一味の剣豪によって危うく殺される所だったくらいですよ! 一般人がこんなところにいちゃ駄目らしいけど、主人公だってここに来るつもりは全く無かった。むしろ不可抗力である。 「申し訳ないんですが、もし良かったら治安がいいほうの方向教えてもらっていいですか、レイリーさん」 「…………ああ、いいとも」 何かレイリーさんの雰囲気が怖い気がした。 そして教えてくれと言われたのにまぁ座りなさいよと座らされた。服もびしょぬれだし出来たらやめてほしいぜ!と思いつつ隣に座った。ふわふわとシャボンがあがってくし、軍艦も近隣に乗り付けたらしい。 麦わら海賊団はもう見えない。 どうしたんだろうなんか居心地も悪い、とちょっとそわそわしてたら、レイリーさんが「ロジャーを知っているかね」と質問。 いや知ってるよ。だってそれ海賊王だよね。有名キャラだよね? 頷いた主人公に、微笑んだ表情のレイリーさんがその顔を向けてきた。 「そうだろうね。君は私のことも知っているようだから」 あ、しまった。 初対面だったのに名前を呼んだことを主人公は思い出した。だがしかし後の祭り。 にこにこしてるレイリーさんが何か怖い。 でも冥王レイリーだって結構知られてる名前なんだからそこまで怖い顔しなくてもいいと思うんだ! とは思うものの、どう見ても一般人な主人公がその名前を知った上で普通の顔をしているのが問題である様子。 服がびしょぬれな主人公がくしゃみをしたら、レイリーさんが連れて帰ってくれた。というか連行ですよね。 「話は君が着替えてからにしようか」 そのままシャッキーさんちへ。お洋服貸してもらった。 お風呂借りて出てきたらお茶を入れてもらってた。お金ないんでできたらその……となったけどレイリーのおごりらしい。ありがたく頂くことにした。 さて話せ、と言われて、頭がおかしいと思われるかもしれないけど正直に話した。レイリーさんもシャッキーも味方側だし大丈夫だよね!と思って。 驚く二人。そりゃそうだ。 「……これはまた、面白い作り話だな」 「あ、レイリーさんが信じてない。ええっと……レイリーさんがロジャーと会ったのは、家が焼かれてから住んでた船に乗ってたとき! しかも世界をひっくり返そうぜとか言われてた!」 「………………ほう」 なんとか信じてもらえた様子。 未来が分かるのかと言われて、ジャンプはパンクハザード編までだったからそんなに分かりませんと主人公。 しいて言うならいま魚人島に向かってるルフィ達が何をするのかは知ってるけど、誰かが死んだり負けたりするわけじゃないことも知ってます。 これからどうするのかと聞かれて、人攫いのいない普通の島に行きたいですと主人公。 だがしかし、白ひげ死亡後なグランドラインは荒れつつあるので、どこに行ってもそこそこ危険だよ、とレイリーさん。 いやいや海軍の近くとかならまだ大丈夫でしょう!むしろグランドラインから出たい! 話を聞いてくれたシャッキーさんが、伝を辿ってあげるからしばらく働いて路銀を稼いだらどうか、と一言。 ありがたくお願いする。美人なシャッキーさんは心まで美人だった。 住まいは職場のすごく近く、海軍駐屯所近隣に小さな部屋をお借りした。シャッキーさんが間借りさせてあげようかと言ってきたけどまずこの無法地帯に住みたくないし男と女でそれは駄目だろうといったのは主人公のほうだった。シャッキーさんもレイリーさんも面白そうに笑ってた。酷い。 それから、レイリーさんが主人公の職場(飲食店)によく来るようになる。 たまに主人公の家にお酒のみに来たりもするレイリーさんと主人公の、ほのぼのシャボンディ生活。 お客さんがいないときは主人公がレイリーの相手をする。 話は主にワンピース(漫画)の話。 ルフィの冒険の話をする主人公と、ロジャーの話をするレイリー。シャンクスの名前が出るとちょっとテンションのあがる主人公は、実は赤髪が結構好き。だって何か格好良かったし! 楽しそうに話を聞いて、楽しそうに話をする主人公とレイリー。 いつかこの島を出ても、手紙とか書きたいなぁと思うくらいにはレイリーに懐いた。レイリーさんもそこそこ可愛がってくれていると思われる。 問題は英語の文法が分からないっていうことだ。こいつぁ困ったもんだ。 ある日レイリーさんが来なくなる。 多分またギャンブルか何かでやらかしたに違いない。 主人公は心配するけど、探しに行くにしてもどこを探せばいいのやら、である。むしろ海軍監視下地域から出るのは怖すぎる。 でも心配。どうしよう。 とりあえずシャッキーさんに相談してみよう、と思ってぼったくりバーに向かったら、人攫い屋に攫われた。 何のとりえも無いただの人間(男)なのに、どうしてか売られるらしい。人攫い屋にもノルマがあると見た。こんなガキでも少しは足しになるとか酷い話だ。 オークションで売られそうな主人公をさくっと助けてくれたのはレイリーさんでした。すごい怖い顔をしてたけどしっかり助けてくれた。ひゅーひゅーかっこいいぜ!強いぜ! 「俺が女だったら惚れてたよレイリーさん」 「それは残念だ」 「…………ん?」 レイリーさんはやっぱりギャンブルでやらかしてたらしいよ。 いい加減自分を賭けるのはやめたほうがいいよ! 前にも増してレイリーさんが主人公に会いに来るようになりました。 フダ付きだからあんまり海軍監視下には来ないんじゃないのか、冥王レイリー。 その辺を気にする主人公に、大丈夫大丈夫ってレイリーさんは笑ってるけど、そういうことじゃないと思います。 まだまだお金はたまらないので、これからもレイリーさんが会いに来るならと、主人公は引越しをすることにしました。 今いるのは60番台グローブの地域。 無法地帯らしいけど1番から10番台の辺りならまだ海軍からも近いし何とかなるかなぁ、と思ったりしてる。それともシャボンディパークのほうがいいんだろうか。しかし海軍駐屯所から離れるのはやっぱり怖い。 まだ部屋を見つけてないから「俺引っ越すよー」とも言わない主人公が少しずつ荷造りを始めているのに、レイリーが気付いた。 「……そこそこ深い付き合いになっていると思っていたんだが、どうやら私の勘違いだったようだ」 「へ?」 「いつ出るのかくらいは教えてくれるだろう?」 どうやら主人公がシャボンディ諸島から出ると思った様子。 いやいやー違うから!と慌てて釈明した主人公。それで引越しを検討している(しかも無法地帯に)と聞いて、レイリーさんが引っ越しに反対した。 危ないから駄目らしい。でもこの辺歩く海賊って言うほうが危なくないか! そう思ったけど、君は知っているだろう私がその辺の海兵に負けると思うのか?とか聞かれて、いや黄猿にも負けてなかったし大丈夫だって分かってるけどさ……と主人公は主張を引っ込めました。 「私は君の方が心配だ。またこの間のように人攫い屋に攫われていたらどうしようかとね」 「……返す言葉もありません」 自分だって売られてたくせに!と思ったけど、まぁ言わないよ!うん! 結局そんなこんなで、ほのぼのとレイリーと一緒に過ごしていく。 レイリーは主人公を引き止めたいくらいには主人公が気に入ってるし、頻繁に会いに来るのは主人公を守ろうと思ってるから。 ロジャーくらいの強引さがあったら自分の傍に留めていられるんだがな、とかシャッキーさんと話したりしてたらいいと思います。 そのうちレイリーを「レイさん」って呼ぶ女性とレイリーが歩いているところを主人公が目撃して「……レイリーだって男だし、そういえばその辺に女を作って寝泊りしてるだろうしってシャッキーさんが漫画で言ってたよな」とか思うものの何だかもやもやして仕方ない、とかそういう展開になるのを希望する。 そこから、美人なお姉さんと歩いているレイリーがうらやましいのか俺は……!と鈍感を発揮して彼女を作ってみようとして、なんだかんだで駄目でレイリーに酒の席で慰めてもらって、酔っ払った頭で「そうか俺レイリーが好きなんだ」とか思った、と思ったら口から出ててもいいですね! そしてレイリーさんは酒の席の話だからって聞かなかったことにしてくれる。 それははっきりとした拒絶で、酒が抜けてもそれを覚えていた主人公は、いつも通りになるようにレイリーに接して、だからレイリーさんは主人公が覚えていないもんだと思ってる。 ……おかしい、レイリー×主人公までの道のりが長すぎる気がする。 そのうち何やかんやあってくっつくといいですね! 間が浮かばないけど両片思いとかとても美味しいよねと思っちゃった話。 戻る |