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ドフラミンゴ夢/ペットとご主人様
ドフラミンゴのペットになった系男児
わるいひとシリーズへ派生済

※別にドフラミンゴがショタコンなわけじゃないよ!





主人公はワンピースを知ってる。
近所に古本屋さんがあったし、友達に集めてる子もいたから。
母親が主人公を一人残して家を出て行ってから二日目にランドセルと一緒に異世界トリップしたものの、何となく夢見心地。
異世界トリップした先でドフラミンゴに遭遇し、ドフラさんのあの変な能力が効かなかったために気に入られて飼われてる主人公。
お前はおれのものだとか言われて所有物扱い。
能力が効かない以外はただの一般的な男子小学生(高学年)なので、ドフィに手荒く扱われて大怪我して以来、ドフラミンゴさんは何か本当にか弱い動物を飼ってるような感じ。
首輪もついてるし上等な服も与えられて、大きな部屋に軟禁?状態。
主人公は何をするでもなく一部屋に居る。
もともとネグレクトされてた子供で、放置されたりしても特に不満が出てこないよ!
元の世界にはあまり未練が無くて、戻りたいとも思わないし衣食住が保障されているので逃げたいとも思わない。
ここがルフィたちなどのそばじゃなくて、主人公が知ってる限りルフィとかち合うのもまだまだ先立っただろうドフラミンゴのそばだから、危ない事もないだろうし別にいいかーって感じ。
腕試しみたいな雰囲気で殴られたときは逃げようとしたけども、怪我が治ってからはドフラミンゴも殴ったりしないので、ただ部屋の端に座ってぼんやりしたり、ドフラミンゴが読んだ後放置していった新聞を見てみたり、寝たり、室内を掃除したり、窓から外を眺めたりするだけ。
大怪我して治療されているときから大人しかった主人公は、ドフラミンゴに逆らわない。何かしてても、部屋にやってきたドフラミンゴが呼んだら呼ばれるがまま近寄って、座ってじっとしてたりする。
ドフラミンゴからしたら逆に不気味。
何でこんな大人しくしているのか分からない。
大怪我をした所為かとも思うけど、主人公はドフラミンゴに怯えないから余計分からない。
主人公からしたらドフラミンゴは漫画のキャラクターなので、なんとなく「まぁドフラミンゴだしなぁ」と思ってる部分があって、その所為でいまいち怖がったり出来ないのだけれども、当然ドフラミンゴはそんなことしらない。
ただの置物みたいな主人公になんとなーくイラ☆っとしたりしつつも、何となく殺さないドフラミンゴ。
本気で腕振りぬけば簡単に首が折れて死にそうなくらい弱いので、今じゃなくてもまた今度でいいか、と何となく先延ばしにしてる。
そしてその代わりに主人公に構う。
構われて面倒なんだけれども、主人公はペットポジションなので、『ご主人様』にはきちんと従うのである。
ドフラミンゴが外に連れ出したら一緒についていくし、待ってろと言われたら待っている。
従順な犬のような主人公をつれてドフラミンゴがクロコダイルに会いに行ったら、「テメェが死体を連れて歩く趣味とは知らなかった」とか嫌味っぽいことを言われたりとか。
自分の意思なんて無いような主人公に、クロコダイルがやった『死体』という表現がとても当てはまっているような気がして、やっぱり面白くないドフラミンゴ。
「たまにはお前がやりてぇことをやりゃあいい」とか部屋に戻ってから言われて、主人公困惑。
衣食住は保障されているし、ぼうっとしていることは嫌いじゃない。
英語の新聞や本を延々と眺めていられるほどの集中力は無いし、掃除だってやることがないからなんとなくやるだけでやりたいことじゃない。
部屋から出る事が許されるとは思えなかったし、部屋から出てどこに行きたいとも思えない。
しいて言うなら日本語で書かれた漫画が読みたいといったところだけれども、異世界でそれは叶わない。
首を傾げた主人公に、ドフラミンゴも怪訝そう。
「……何も無ぇのか?」
聞かれてこくんと頷いたら、ドフラミンゴがため息吐いた。
そしてその日から、ドフラミンゴは主人公を部屋に戻さなくなった。
というより、それから本当にあちこちをドフラミンゴと一緒に移動した。
海軍本部にも行って三大将を見上げ、クロコダイルに相変わらず死体扱いされ、ジンベエに心配され、ミホークにちらっと見られ、あれやこれや。
何でドフラミンゴが自分をあちこち連れて歩くのかはまったく分からないものの、今までに無いほどめまぐるしく動いていく周囲に、主人公は大困惑。
でも、なんか楽しい気がする。
ドフラミンゴに「楽しいか」と聞かれて頷いたら、なんとも上機嫌な「フッフッフ!」が聞こえたりとかした。
さてさて、主人公は異世界トリップ者である。
めまぐるしく毎日を過ごしていたある日、主人公の目の前でランドセルから出してた筆箱がすぅっと消えた。
ドフラミンゴは知らない。
その翌日はノートが消えて、それから教科書が消えて、四日目にはついにランドセルが消えた。
「ん? あの鞄はどうした?」
「……なくした」
ドフラミンゴに聞かれてそう答えつつも、何となく把握した主人公。多分明日、次は自分が消える番である。
けれども消えてなくなるんではなくて、元の世界に帰るんだろうなぁとも思った。
もともと異世界トリップなのだから、元の世界に帰るのが通常、世の常である。
けれども、元の世界とドフラミンゴのそばと、どっちが楽しいかと言われたらドフラミンゴのそばだった。
帰りたくないなぁと漠然と思ったけれども、自分の意思で来たのではないから自分の意思で残れるとも思えなかったので、主人公はその日珍しく、ドフラミンゴに『ありがとう』なんて言った。
意味不明な主人公にドフラミンゴさんは困惑しているけれども、説明は無し。
そして翌日、主人公はドフラミンゴと寝てる間に、首に巻いてたはずの首輪を落としてそのまま消えた。
戻った家は自分が消えたときのままだった。
ドフラミンゴが誰かにやらせて用意してくれた料理も無いし、ドフラミンゴが居させた部屋よりも狭くて乱雑にものの並べられた部屋が、もともとの主人公の居場所である。
先に帰ってたらしいランドセルや文房具達を一つにまとめて、三日たっても帰ってこない母親を待つのも無駄だろうと感じた主人公は、これからどうしようかなぁなんて考えた。
けれども答えは出てこなかったので、誰かに母親を探してもらおうと決めて、身一つで家を出ようとする。
「おい、何勝手なことしていやがる」
けれども後ろから聞き覚えがあるが聞こえるはずの無い声がして、扉を少し開いたところで主人公が振り返ると、どうしてか何も無いはずの空間から大きな手が伸びて来ていた。
どう見てもドフラミンゴの腕であるそれに驚いた顔をした主人公の前で、くい、と指を一本動かしたその掌が、それから少ししていらだたしげに広げられて主人公へと差し出される。小さく舌打ちも聞こえた。
「お前はおれのペットだろうが。戻ってくんだろ?」
そう言われて目を丸くした少年は、それから普段見せないような笑顔を浮かべて、そうして悪い大人の手をとったのでした。

という感じなドフラミンゴと少年の話を私は読みたい。
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