main | ナノ



ロイエレ+ダーウィン




「ダーウィン、ちょっと僕の配達に付き合ってくれないかい?」


橋の上で彼女を待つ彼に話しかけたらヴーと威嚇された。約束してるから、待ち続ける、と主張するかのように。
どうにも動く気は無さそうだったから、しゃがみこんで話しかけた。



「なぁ、ダーウィン。エレナは戻ってこないんだよ」
「ヴーヴ」
「だから、エレナの近くに行こうよダーウィン」
「ヴ?」
「エレナの消えた場所の近くの配達なんだ、ダーウィン。だから、途中まで一緒に。どうだい?」
「ヴ───」


悩むような鳴き声に行こう、と手を差し伸べた。ダーウィンはその手をとらなかったけど、ヴ、と言って立ち上がったから連れ立って歩きだす。




(本当は、君をエレナの元への配達なんだけれど。)




橋を離れないダーウィンを橋から離すための術。
君はいつだって僕とエレナの邪魔をして、僕も君とエレナの邪魔をした。そうやって、遊んだのは記憶にはっきりとある。
だけど僕らが奪い合った彼女はもういないんだ。ダーウィン。
いない彼女を信じて待ち続けられる君が羨ましいよ。







今日が終わっても、明日がある
けれど、彼女の時間はあの日から止まったんだ。

眼鏡の奥で眼を細めると、あの頃のようにダーウィンに威嚇された。




































.

[ 106/116 ]
/soelil/novel/1/?ParentDataID=1


 
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -