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ラグニチ


ラグはニッチに名前をくれた人。ニッチにパンツを履かせれる人。そして、よく泣く。
ラグはニッチのディンゴ。口癖は『人はいけませーん!』『パンツはきなさーい!』
ラグとニッチはいつも一緒。一緒に旅をする。
ラグはさよならを悲しむから、ニッチは一緒にいる。どこまでもついていく。


「ニッチ、次の配達に行くよ?」
「ラグよ、さよならするのか?」
「え?」
「今、手紙を届けた。そしてすぐ、さよなら、なのか?」
「あぁ、そっか。そうだね、すぐ、さよならだね」


ラグはちょっと悲しそうな顔をした。やっぱりさよなら、は悲しいみたいだ。
ラグが一番悲しむこと。それはさよなら。なのに仕事だからって直ぐにさよならをしようとするのか。そんなこと、しなければいい。ラグよ、ゆっくりしていこう、そう言おうと思った。ら。
ラグに先越された。





「あの人とはもうさよならだけど僕にはニッチがいるから」



にっこり。笑ったラグ。
たった今、さよならをして悲しいはず。だけどラグは笑ってる。
さ、行くよ、ニッチ、って呼びかけてる。
ラグはさよならが一番悲しい。
だけどニッチがいるから。
そういって笑った。悲しい顔をしなかった。





(ニッチがいるから。)







それと笑顔。
ラグは笑顔だった。
ラグはニッチがいるから、笑う。
なんだか、心がほっこり暖かい。思わずラグに後ろから飛び付いた。頭をすりすりした。


「わっ!?ちょ!?ニッチ!?」
「ニッチは嬉しいぞ」
「へっ!?」
「ラグはさよならを悲しむ。だけどニッチがいるからと言ってさよならしたのに笑った!」
「あ、うん。そうだよニッチ」
「だから嬉しいぞ」
「うん、ありかと、ニッチ」



ラグが優しくニッチの頭を撫でた。優しく。
ラグは優しい。
優しくて泣き虫で、ニッチのディンゴ。
そしてさよなら、を一番悲しむ。だけど、ニッチと一緒と言って笑う。ならば。


「ラグよ、ニッチはずっとずっとおまえから離れないからな。ラグがニッチがいるからと言って笑う限り」





ドゥエ宣言
ありがと、と笑うラグがある限り。ラグの笑顔が見られる限り、ニッチは離れない。
























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