main | ナノ



18

※SQ1号ネタバレ(2011)





カベルネをユウサリに逃がしてしまってから、私とモックはジギーとザジと別れた。そして心弾を使って心身疲労困憊なモックをハチノスに預けた。
後の介護は博士に任せた方がいい。薬とベットは彼の研究室にあるはずだ。
私は状況を聞いて、BEEとして、おくらばせながらカベルネ退治に出向いたのだ。
その時だった。
目の前を黒い布が過ったのは。
1、2メートルいった所でそれは止まって、振り返る。


私は愕然として、たちすくんだ。


いつも配達ルートを歩いているとつまずいてこけてしまう足に、力が入らなかった。
前に動かすことも、後ろに動かすこともできなくて、地面に吸いつけられたように突っ立つ。
いや、たぶん吸い付けられたのは彼に、だ。


「眼鏡、かけたんだ」


闇夜に溶け込むような黒いマントを身に付けた銀髪の彼が、言った。
その様はアカツキに行く前のように気さくに言ってるようで、でもとても取り繕っているように見える。まるで仮面をつけた、とでも。


「うん、あれから目を悪くしちゃってね」


彼が前のように微笑んで口を開いたから私も笑って、そういったつもり。だけど彼以上に不格好な仮面の笑みを浮かべた気がする。




喜びと悲しみと
生きて起きているる彼に会えたのはこの上なく嬉しくて、でもその姿は敵である事を表しているものだから。


















カベルネ退治後偶然遭遇。

[ 81/116 ]
/soelil/novel/1/?ParentDataID=1


 
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -