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心弾を使いすぎて、震える僕の体を座り込んで抱えた彼女が、大粒の涙を溢している。



(ごめんね、僕はいつも君を泣かせてばかりだった)


緑の瞳から零れる滴は僕の頬を濡らす。
いつも、君を泣かせていた。
アカツキ栄転になった時も。
行方不明になった時も。
僕が君を忘れたときも。
結局は幼馴染みの彼じゃなく、君の知らない僕であった時も。
今も。
僕は君を泣かせてばかりだ。
ごめんね、今更だけど、君の夕食を食べておけばよかった。


「アリア…」
「もう、何も言わなくて、いい、からっ、っ」


喋るのも辛いんでしょう?黙ってて、と彼女が泣きながら話すけれど、伝えなきゃ。


「ご、めん‥ね…‥」

「もう、いいからっ。謝るくらいならっしっかり、生きて、っ」

「うん‥」


泣きじゃくる彼女の頬に手を伸ばす。思うように動かなくて、それはゆっくりだった。


(ごめんね、君を見ていなかった)


当たり前のように僕を気遣ってくれていた君。だから、見れていなかった。
シルベットばかり気にかけて、君をみれなかった。



やっと届いたアリアの頬の涙を拭う。ぽつり、彼女の口が動いた。

「…‥好きよ。貴方が。ゴーシュでも、ノワールでもなくてっ、その、貴方そのものがっ」

「あり、がとう、アリア。僕は…ずっと君を、想って、いた、よ」



土豪の人生だった。だから、常に彼女が頭から離れなかった訳じゃない。
ただ、どんなに忘れても彼女を思い出す事があったんだ。
ふと、どうしてるのかな、なんて思うことが。
それはBEEとして働いていた頃も、ロマーダーとして動いていた頃も。君を知ってからは心の奥底で君の存在が燻ってた。

あんなにも近くにいて、遠かった。回り道をこんなにして、やっと僕らは触れ合える距離についた、のに。
彼女の回復心弾すら効かなかったから多分、僕は体の震えが止まったらきっとこと切れる。
やっと触れ合えたのにね。
ごめんね。最後の最期まで泣かせてばかりだ。


(本当にごめんね、大好きだよ)


重い体を持ち上げて、彼女に口付けた。




キスリング
最初で、最後の
























今だから言う。きすりんぐ は近くのお寿司屋さんでした。
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