日向との速攻、通称変人速攻を身につけ月島たちのチームに勝つことができた影山は、無事セッターとして部活に入ることができた。


『やったね!飛雄』


学校の周りを走った影山は木陰で休んでいたところに声をかけられた。
振り返ると見慣れた姿がそこにあった。
てかめっちゃ笑顔だなこいつ。


「なんだ。名前か」
『なんだとは失礼な!
部活入るのも危うかった飛雄のこと心配してたんだからね』


「もー!態度わるいんだから!」と不機嫌そうにその場にしゃがむ。同じ木の木陰に二人。もう桜は散ってしまったけれど、その代わりに木には美しい緑が生い茂っており、陽の光に当てられてキラキラと輝いていた。


『ねぇねぇ飛雄、

烏野楽しい?』


何を突然言い出すのかと思ったら。だからいつまでも帰宅部なんて似合わねぇところにいねえで、バレー部に入って自分の目で確かめればいいだろ。っと。
思ったことはズバズバという性格であることは自覚しているが、名前に対しては違う。こいつは案外打たれ弱い。小さい頃は俺の後ろでずっと泣いてたからな。
だが一度思ったことを曲げて発言するのは影山にとって難しいらしく、名前が聞いた質問からもうすでに3分も経過していた。
なにか言わねえと。焦って名前の方を見る。が、その瞬間隣ではなく前から声がかけられた。


「影山〜大地が休憩終わりだって呼んでんぞ〜」


練習バカが気づかねーなんて珍しいなあ、とグレーの髪を揺らしながら笑う。


「すみません。話終わらせてすぐ行きます」








「話?だれかいんの?」










「は、?」



名前の姿はどこにも見当たらない。


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