Short Novel | ナノ


▼ !!! NIGHTMARE OF HALLOWEEN !!! 

第二章 OH MY GOD !!!

 なんでだよ!
 事務的といえど、神への祈りはしっかり済ましているはずだった。
 だってのに、天はおれを裏切りやがった。朝っぱらからふざけたゴーストに馬乗りにされるぐらい、胸くそ悪いことはない。

「ねぇ、ごめんってばー。上に乗ったことは謝るよー。でもさ」
「うるさい! どうしておれん家知ってんだよ!?」

 のんきに後を追ってくるミニ・フランケンシュタインに向かって、おれは噛みつくように喚いた。だけど、当然のごとくあまり効果はない。
 フランケンシュタインはぶうぶうと不満を言いながら、頭の後ろに腕をやってついてくる。
 はだしのまま冷たい廊下を早足で進むと、さすがにつま先が冷えてきた。ベッドの中に靴下を忘れたんだ。だけど、よかったかもしれない。毛糸の靴下なんて見られたら、ハロウィンの前にクリスマスを祝われる。
「ニルに聞いたんだよ。そこの通りをまっすぐ行けば見えますよって言うから、そのまんま来たのさ〜。とびきりでっかいのって言われたけど、ほんとでっかいし!」
 体格に合わない大人もののジャケットを広げて、ロビンがきゃっきゃと騒ぐ。
 あいつか! それならうなずける。こういうバカげたイベントは、いちばん好きそうなタイプだもんな。
 それにしても、まだ十月の末だっていうのに、やたら冷える日だ。いちおう防音用に毛布を引きずってきて正解だった。体に巻きつけると下手なマントみたいに見えるけど、寒さは確実に防げる。
 とにかく逃げなければ。厄介事に巻き込まれる前に。おれは感覚の薄れた足を急がせたが、サイズの合わない靴音はガッポガッポとついてくる。
「ねぇ、ねぇ、ダージ。今日はハロウィンだよ! 一緒に遊びに行こうよー」
 あいつの頭のネジ、回したら脳みそまで回転してくれないかな。おれはいらいらと歯を鳴らしながら、少しでも時間を稼ごうと手近な階段を下った。
 案の定、でかい靴のおかげでロビンはまごついていた。そのすきにさっさとどこかの小部屋に逃げ込もうと思ったのだが、半分ほど下りたとたん、急に冷気が吹きあげてきた。


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