Keine Regel ohne Ausnahme. 今日は生徒会の仕事が残っているから先に帰っていろ、と言われてしまった。 でもやっと椿と一緒に帰れるようになったのに(つい最近恋人という関係になったから!)ただ帰るのが遅くなるからという理由だけで一人で帰りたくはない。 そんなことを思ったオレは、勝手に校門で椿を待つことにした。 ただ今の時刻は15時17分。 全ての生徒会の仕事が終わるのにどのくらい時間がかかるかは検討もつかないけど、一緒に帰る時間を考えればこのくらいの努力(?)はする。 それに季節は秋、暑くも寒くもないから苦にならない。 多少睡魔に襲われる危険性はあるけど。 待ち場所が校門なら生徒会室から離れているし、もし見られたとしてもオレとはわからないだろう。 寝てしまっては椿が来たときに怒られることは必至だから、じゃあ暇つぶしに今日スイッチが貸してくれたクソゲーでもやるかな、とポータブルゲーム機(今まで見たこともないような古いやつ)を鞄から取り出して電源を入れた。 スイッチがクソゲーというくらいだからよっぽどのものだと思っていたのにやってみると予想外にハマってしまい、周りが暗くなっていたことに気付いてあわてて時計を見ると既に1時間半以上が経っていた。 手元にある携帯を何気なく見ると着信ランプがチカチカ点灯している。 『新着メール3件 不在着信5件』 表示された着信履歴に驚きながらもメールから1つずつ確認していく。 一通目。 Name:椿 Subject:題名なし Date:10/11 15:48 --------------------- 校門前でなにをしている 二通目。 Name:椿 Subject:題名なし Date:10/11 16:12 --------------------- 早く帰れと言っただろう 三通目。 Name:椿 Subject:題名なし Date:10/11 16:25 --------------------- いつまで居るつもりだ なんというか、いかにも椿らしいメールだ。 句読点や丸がない所とか特に。 そんなことを思いながら返信を後回しに今度は着信を見る。 一件目。 →発信者:椿 10/11 16:44 二件目。 →発信者:椿 10/11 16:47 三件目。 →発信者:椿 10/11 17:49 四件目。 →発信者:椿 10/11 17:50 五件目。 →発信者:椿 10/11 17:53 ■録音あり こんなに椿が連絡を寄越していたことに気付かなかったなんて。 しかも最後の電話は本当についさっきかかってきたもので、急いで再生ボタンを押す。 ピー、というありきたりな電子音のあとに続いて生で聞くよりも少し低い椿の声が録音されていた。 全ての録音を聞いた後、オレはすぐに走り出す。 どこに行くかって? 決まってるだろ。 椿の居る生徒会室に、だ。 『何度連絡しても返事がないし、帰りもしないから留守録に入れておく。 そろそろ仕事が終わる。 遅くなるから早く帰れと言ったのにお前は帰らないし…。 …風邪を引いてもボクは知らないからな! だから…その、なんと言えばいいんだこういう時! えーと、とりあえず生徒会室に来い! 話しはそれからだ! この愚か者!!』 Keine Regel ohne Ausnahme.=(独)例外のない規則はない |