*静雄さんと臨也さんは幼なじみ
*既にくっついてる二人
*来神、屋上にてサボタージュ



「ねぇねぇシズちゃん。」
「あー?」
「俺達って、出会ってから今にいたるまで色んな喧嘩してきたじゃない?」
「んー」
「その中でも一番馬鹿らしかったのって絶対にアレだと思うんだよね。」
「アレ?」
「そう、ほら、アレだよ。」
「あぁ。あれか。…確かにアレは馬鹿すぎるくらいに馬鹿な喧嘩だったな。」
「でしょ?なーんであんなくっだらないことで喧嘩したのか…。今となってはまったく理解できないね。」
「まだ餓鬼ん頃の話だ。昔すぎて記憶も曖昧なんだから当たり前だろ。」
「そりゃそうだけど、さ。そうやって一つずつシズちゃんとの思い出を忘れていっちゃうのは、」
「少し寂しいってか?」
「勝手に人の台詞奪うな。しかもちょっと違うし。」
「じゃあなんだよ。」
「……もったいないと思って。」
「はぁ?」
「なにその阿呆丸出しな反応!あはは!」
「うぜぇな…!つか手前こそなんだよその、もったいないって。」
「えー?だって一度は自分の頭に記憶されてたものが自身の意識とは関係なく消えていくんだよ?例えて言えば、知らないうちに財布から諭吉さんが1枚ずつ消えていってるようなものじゃない?しかも稼げば諭吉さんは戻ってくるけど、記憶は無くしたらもう戻って来ない。」
「まぁそりゃそうだな。」
「なんというか、人間の頭ってよくできてるようで実はできてないもんだよねぇ。」
「いや、よく出来てるだろ。じゃないと今こうやって俺たちが話してる話だってできなかったはずだし。」
「確かに言えてる。」
「それに、…」
「なに?」
「やっぱいい。」
「えー!なにそれ!やっぱいいとか一番ムカつく!」
「本当に、もういいから。」
「俺は全然よくないっ!早く言ってよ!」
「…うるっせぇな!もういいっつってんだからもういいんだよ!」
「ちょっと!自分に都合悪くなるとすぐにキレるのやめてくんないかな!」
「キレてなんかねぇよ!いいから黙れ!」
「めちゃくちゃキレてんじゃん!どこがキレてないの!」
「あーもー、マジで黙れし…」
「なに呆れた顔してんの!普通、君じゃなくて俺がそんな顔する状況でしょこれ!」
「はぁ…、手前も好きにしたらいいだろ。」
「なんでこんな青空のもとサボタージュしてる二人が揃いに揃って呆れた顔でぽかん、としてなきゃいけないのさ!端から見たらただの馬鹿二人だよ!」
「なら俺にどうしろってんだ…」
「だ、か、ら!シズちゃんが俺に言いかけたことをそのまま言ってくれれば万事解決だって!」
「…そんなに聞きてぇのかよ。」
「聞きたい。」
「まったく…、聞いても絶対に笑うなよ。」
「うーん、保証はできないけど努力はする。」
「そこは嘘でもうん、て言うとこだろ…訳わかんねぇ所で無駄に素直だな手前は。」
「俺のことはいいから!早く言ってよ!」
「じゃあほら、こっち来い。」
「これでいい?」
「ああ。耳貸せ。」
「ん。」

「思い出なんて忘れた分だけ、また作ればいいだろ」





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ただ恥ずかしいことを静雄さんに言わせたかった。

反省はしているが後悔はしていない!



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