ろんりーがーる (阿部) | ナノ

□バーカ



「そういや、来週から合宿なんだ」
「そう、なんだ」


終業式が終わり帰り道
で隆也の一言で寂しく
なってしまった。
合宿だときっと夏休み
当分会えないよね・・・


「ちゃんと連絡すっから」
「うん」


ごめんなと謝る隆也に
首を横に振った。隆也は
悪くない。今年最後だも
ん、大好きな野球に熱中
してほしい。それは誰よ
りも思っている。


「隆也、疲れてたら連絡いいからね」
「・・・おう」
「最後だから楽しんでおいでよ!」


返事がないかわりに
繋いでいる手に力が
こめられた。


「帰ってきたら宿題一緒にやってくれ、頼むな」
「うん、喜んで」


困ったように笑う隆也。
珍しく頼み事をするもの
だから、嬉しくてしょう
がなかった。


「なあに、にやけてんだ」
「べつにー!あ、一つ聞いていい?」
「ん?」
「隆也は寂くないの?」


いつも余裕そうに見える
隆也は、一瞬に顔を真っ赤
に染めた。そんな隆也に私
はにんまりする。



バーカ


20110524.

title:確かに恋だった





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