ろんりーがーる (阿部) | ナノ

□番外編3 練習試合は熱い


『試合あんだけど、見に来る?』


普段のなんてことのない会話から
なぜ、阿部くんの試合の話しにな
ったのか分からなかった。ただ私
がド緊張してて頭が真っ白で阿部
くんの話しにうんうんと頷いてば
かりだったせい。

でも、試合に関しては自分ナイス
と思って心の中で私はガッツポー
ズをする。


『うん、行くねっ!』



試合当日、野球してる阿部くんを生
で見れると思うと何だか落ち着かな
くて少し早めにグラウンドに着いて
しまった。


『あれ、お前はえーな』
『あ、阿部くんっ!?』


部室から出てきたユニフォーム姿の
阿部くんはとても似合っていてかっ
こいい。直視できず、うつむいてい
ると阿部くんは笑って今日は練習試
合だから、お前は気楽に見ろよ。と
私の肩をポンと叩いて、監督さんの
ところに向かった。


『はー』


妙に熱くなる肩を押さえて、阿部くん
を見る。ちゃんと言えなかった、頑張
ってと。自分がいっぱいいっぱいで情
けなくてため息がでる。


しばらくすると練習試合相手の他校が
やってきて監督同士挨拶をすると、素
早くみんなが整列した。

ぴしっとした整列の仕方に緊張感があ
って、何だかみんながかっこよく見え
る。

良く見るとみんなユニフォームは汚れ
ていて、練習を沢山していることが分
かった。もちろん阿部くんもその中に
入る。

野球のことはあまり分からないけど、
挨拶が終わってみんなはベンチに
戻り、阿部くんは防具をつけ始め
た。西浦が守備なことは分かる。


『しまっていくぞーー!』


その一言でみんなが揃えておー!!
と叫ぶ。鳥肌が立つ。ついに始まる
んだ。これから阿部くんはどんなプ
レーを見せるのかとか、野球してる
阿部くんはどんな表情してるのかと
か考えたらきりがないけど、わくわ
くが止まらなかった。


『…阿部くん、頑張って』


無意識に声に出していた。さっき
言えなかった言葉。胸元できゅっ
と掌を握った。

防具姿、似合ってる。
何より、野球している阿部くんは
楽しそうできらきらしていて、かっ
こいい。



もう、阿部くんしか見えない。


この熱くなる頬は阿部くんに
見惚れているせいだ。



20120105.





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